千葉県成田市が、8月に東京パラリンピックの事前合宿を行ったアイルランドパラリンピック委員会と「レガシー協定」を締結する。20日午後5時から成田市文化会館で開催される共生社会推進イベント「PARA Beats! 共生社会を奏でよう。」で、オンラインで締結式を行う。

事前キャンプを実施した自治体が、大会後に受け入れ団体と「レガシー協定」を結ぶのは全国初という。毎年8月18日をアイルランドチームと共生社会を考える日とし、今後もチーム来日の際には合宿を受け入れる。すでに来年8月の世界パラ陸上選手権前に事前合宿の実施を検討している。

成田市はアイルランドパラリンピック委員会の事前キャンプが決定した18年から、共生社会実現へむけた取組をスタートさせた。ホテル客室のバリアフリー化を助成する独自の制度を新設。アイルランドの国民的ミュージシャンと世界的な和太鼓奏者林田ひろゆき氏に、パラアスリートの応援と両国の友情を込めたテーマ曲「PARA Beats!」の作曲を依頼するなど、交流はスポーツを超えて拡大した。

大会後初の「レガシー協定」の締結に、国際パラリンピック委員会(IPC)のアンドリュー・パーソンズ会長も「パラリンピックがプラットフォームとなり、障がいやさまざまな個性を持つ人、だれもが住みやすい社会を目指すという決断を世の中に広めることはとても価値がある」とコメントを寄せた。

20日のイベントには日本パラリンピック委員会の河合純一委員長らもシンポジウムのパネリストとして参加予定。ユーチューブ(https://youtu.be/odF0TgjvLL4)でも配信される。