日本記録保持者の大迫傑(28=ナイキ)が、ライバルからの称賛を喜んだ。先頭から離されていた後半も粘り強く先頭を追い、31キロ過ぎには日本人首位を走っていた井上大仁を一気に抜き去った。そのまま大きくペースを落とすことなく、自らの日本記録2時間5分50秒を更新する2時間5分29秒でゴールに飛び込んだ。

並走も許されずにその背中を見送った井上は、その強さに「半端ないなと思いました」と脱帽。その言葉を聞いた大迫は、「あらゆる選手がMGC(マラソングランドチャンピオンシップ)から緊張感を持ち、独特な緊張感、重圧の中で一緒のスタートラインに立てたのは価値がある。そういう選手にそう言ってもらえてうれしい」と言葉を返した。

「半端ない」は、サッカーの18年ワールドカップ(W杯)で活躍した日本代表FW大迫勇也を形容する言葉として、18年の流行語大賞の候補入りもした。陸上界の大迫も、「半端ない」日本記録の走りで東京切符をほぼ手中にした。