陸上の東京五輪テスト大会が9日、東京・国立競技場で行われた。大会後、組織委員会の森泰夫次長がテスト大会の成果について会見。海外選手20人(うち9人が入国選手)、国内選手330人、大会スタッフ約1620人が参加した大会で、新型コロナウイルスのPCR検査を900人規模で実施したことを明かした。

陸上は選手や関係者数が多いため事前に取った検体を郵送してもらう仕組みを取ったが、一部選手で締め切りに間に合わなかった。その選手らは現地検査で入場できる措置を取ったが森氏は「本番では現地検査が多くなる。今回の事例は大変参考になった」と述べた。

サブトラックでは水洗の簡易トイレが4機しか設置されず、選手らから不満の声が漏れた。女子100メートル障害の寺田明日香は「ホームストレート周辺だけにテントがあり、人が密集する形になった」と語った。

これらの問題について森氏は「本番では(プロ野球)ヤクルトの室内練習場を借りている。冷房もあり暑さ対策にもなる。トイレは室内練習場のものに加え、簡易トイレの台数も増やし、対応したい」と改善策を述べた。

有観客で実施する予定だった今大会だが、緊急事態宣言の発令で無観客になり、観客がいた場合のテストができなかった。その中でも、本番も観客対応に従事する約90人の大会ボランティアと請負業者約60人のチームを組んで、観客動線をチェック。森氏は「20年のサッカー天皇杯でも国立の有観客は経験している。十分だとは感じていないが現行、やれることはやった」と不安が残る結果となった。【三須一紀】