男子100メートル決勝で、日本記録9秒95を持つ山県亮太(29=セイコー)が、10秒27で3位となって東京五輪代表を決め、3大会連続出場をつかんだ。

「本当は優勝したかったですけど、厳しい戦いになると思っていた選考会でしっかり代表つかめたのはうれしく思います」と話した。

山県は6日の布勢スプリントで9秒95を出して、日本人4人目の9秒台スプリンターになった。五輪は12年ロンドン、16年リオデジャネイロとともに準決勝に進出。もともと大一番での勝負強さには定評がある。リオ後は故障などに苦しんだが、延期された五輪イヤーにしっかりと照準を合わせてきた。

24日は予選10秒27、決勝10秒16と、安定した走りを披露した。「決勝はここですべてが決まるレースになる。とにかく悔いがないように。しっかり自分のレースに集中して、思い出に残る日になれば」。3大会連続五輪に向けて、意気込んでいた。

「今年は自己ベストも出して、良い手応えつかんでいる。本番で自己ベストを更新して決勝に残りたい」と掲げた。

 

◆選考方法 1位の多田、3位の山県はともに参加標準記録(10秒05)を突破済みで、「3位以内」に入ったため2人は代表に決定。2位のデーデーは参加標準記録をクリアできておらず、世界ランキングでの出場資格にも遠く届いていない。そのため日本選手権で「3位以内」には入ったが、100メートル代表にはなれない。残る1枠は参加標準記録を突破した選手の中から、日本選手権の上位順で選ばれるルール。そのため4位の小池が決定的で、1種目最大3人までの条件から、5位の桐生、6位のサニブラウンは落選となる。

男子400メートルリレーについては、日本選手権が選考上「最重要選考競技会」と位置付けられている。100メートルの代表選手に加え、200メートルの代表選手との兼ね合いになるが、デーデーが代表入りする可能性も十分。また「特性と戦略を考慮」して選考するとされており、桐生やサニブラウンの可能性も残っている。