若侍が東京五輪に挑む。侍ジャパンは今日16日、都内ホテルで五輪内定選手発表会見を行う。17年に発足した稲葉篤紀監督(48)が率いるチームの集大成として、24人の精鋭が選出される。選出有力なメンバーの平均年齢は28・4歳。オールプロで出場した04年アテネ五輪以降では史上最年少となる。ヤングな侍ジャパンが、新風で悲願の金メダルをつかみ取る。

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侍ジャパンの志士たちがピチピチに若返る。04年アテネ五輪は満年齢で平均28・9歳、08年北京五輪は29・1歳。3大会ぶりに野球競技が復活する東京五輪に選出有力な24選手は、平均28・4歳となる。“史上最もヤングな侍”として大舞台に挑む。

象徴的な存在は村上だ。21歳は、野手ではオールプロで臨んだ過去の五輪で史上最年少。今季は両リーグ最速で20号に到達し、21歳では中西太以来、67年ぶり2人目の偉業を成し遂げた。稲葉監督も、視察した5月23日DeNA戦で代表候補だった今永からの1発を目撃。指揮官に「素晴らしい。飛距離もスイングスピードもそうですし。三塁の守備機会も非常に冷静にこなしているし、いいバッターになりましたね」と言わしめた。不在だった正三塁手の筆頭候補に成長した。

広島守護神の24歳栗林もルーキーで唯一の選出。過去の五輪で未知数な部分もある新人を選んだことはない。例外的な期待値があることを示している。

リーダーも若いが、超ベテラン級の経験値を持つ。北京五輪に19歳で出場した田中将が33歳シーズンで今大会を迎え、坂本、柳田らと並び“マー君世代”が最年長となる。アテネ五輪は宮本(ヤクルト)が34歳シーズン、北京五輪は矢野(阪神)が40歳シーズンで精神的支柱となった。稲葉監督はキャプテンを置いてこなかったが投手、野手に年長者が据えられ、絶妙なバランスとなる。

もちろん五輪舞台に立てば、年齢は一切関係ない戦いが待つ。歴史が動いたとき、若き侍の首に金メダルがぶら下がる。【広重竜太郎】

◆侍ジャパンの今後の日程 7月16、17日の球宴後の休養を挟み、仙台で合宿を開始。同24日は楽天、同25日は巨人と楽天生命パークで壮行試合を行う。楽天戦は正午開始が想定される五輪本番1次リーグ2戦の猛暑対策として同時刻から始める。28日に福島・あづま球場で五輪初戦を迎える。

◆東京五輪出場国 6チームが出場。開催国の日本のほか、予選を勝ち抜いた米国、韓国、メキシコ、イスラエルの出場が決まっている。最後の1枠は、22日からメキシコで開催される最終予選でオランダ、ドミニカ共和国、ベネズエラの3カ国が争う。