東京オリンピック(五輪)を目指す空手女子米国代表の日系人コクマイ・サクラ(国米桜=28)に人種差別的な暴言を吐いて脅したことが告発されていた白人の男(25)が同選手への脅迫容疑などで逮捕されたことが明らかになった。逮捕は18日。米カリフォルニア州オレンジ郡の警察がこの日までに発表した。

コクマイは今月1日に公園でトレーニング中に男から「お前は負け犬だ」「中国人、国に帰れ」などとののしられ、脅迫されたことをSNSで告白。その時の様子を撮影した動画を投稿していた。

ロサンゼルス・タイムズ紙によると、マイケル・ビボナ容疑者は18日夜に同じ公園を散歩中だった79歳と80歳の韓国系米国人の老夫婦の顔を殴った疑いで逮捕され、その後の取り調べでコクマイへの脅迫も認めたという。

同容疑者は被害者夫婦に近づいてほとんど言葉を発することなく突然殴りかかり、2人はその勢いで地面に倒れたが、幸いにも軽傷だったという。地元警察によると、事情聴取でアジア系コミュニティーに対する憎悪を口にしており、アジア系を狙ったヘイトクライム(憎悪犯罪)である可能性が高いという。男は倉庫で働いているが、最近は車上生活をしていたと伝えられている。(ロサンゼルス=千歳香奈子)