体操男子個人総合で五輪2連覇の内村航平(31=リンガーハット)が、故障の影響から来年の東京五輪で団体総合と個人総合への出場を断念したことが26日、関係者への取材で分かった。種目別の鉄棒に絞って出場を目指す。鉄棒では15年に世界一に輝いている。

原因は両肩痛。4月の全日本選手権で予選落ちし、世界選手権代表から外れた後も、患部に通算100本以上の注射を打つなど治療に励んだが、完治のめどが立たなかった。五輪の1年延期が決まった3月には、痛みと付き合う期間が延びたことのデメリットを口にしていた。以前から負担の大きいつり輪などは十分に練習できない状態が続いていた。

五輪で団体と個人総合を戦うには今後の代表選考会で全6種目をこなして上位に入る必要があり、現在の状態では厳しいと判断した。個人の成績より団体での頂点にこだわってきただけに、苦渋の決断になる。

日本は東京五輪で既に団体総合の出場枠を獲得。さらに今後の予選で団体とは別に個人出場枠を得る可能性があり、種目別に絞った選手にも五輪で演技するチャンスが残されている。