ハンドボール男子日本代表選手が8日、都内の合宿先からオンライン会見に臨み、主将の土井レミイ杏利(31=ジークスター東京)らがワクチン接種やコロナ禍での東京オリンピック(五輪)開催について思いを語った。

選手は合宿集合日だった前日7日に、IOCから提供されたワクチン接種を受けた。土井は当初、高齢者や医療関係者など優先的に接種すべき人がいるとの考えから、「断ろうと思っていた」と明かす。しかし「ドクターやいろいろな人の話を聞くと、今回のワクチンはIOCが準備したもの。僕らが断ったところで、お年寄りや、打つべき人に回らない」と説明を受け、考え方を転換。「自分が打つことで、周りにいる人たちの感染リスクを下げるという形で貢献できるのではと思った」と話した。

チームメートの吉野樹(トヨタ車体)は、ワクチン接種による副作用について、「不安がないといえばウソになる」と正直に口にする。それでも「発症のリスクは大幅に減る。2回打った後は、コロナに対するストレスを感じることなく競技に集中できるのでは」と述べた。吉野によれば、接種を受けたことによる発熱者はいないようだが、「多くの選手が、打った場所が痛いとか、腕が上がらないといったことを感じていると思う」。日本協会によると、2度目のワクチン接種は26日に予定されている。

東京五輪開幕まで残り50日を切った。さまざまな意見や情報が飛び交う中で、土井は「何が正しいかどうかわからない。考えすぎても競技に影響が出てしまう。おそらく行われる方向だと思うので、今はそういうのを全部ばっさりと切って、競技に集中したい」と語った。

ゴールキーパーの岩下祐太(トヨタ紡織九州)は、「応援の声もバッシングの声もある。そういう声を受け止めて、日本代表として、母国に対する誇りを持って戦いたい」と誓った。