レスリング女子68キロ級東京オリンピック(五輪)代表で、2連覇を狙う土性沙羅(26=東新住建)が「こだわり」を捨てた。19日、代表合宿中の都内からオンラインで取材に対応。「理想は正面タックルですが、それにばかりこだわらずに戦いたい」と見据えた。

16年リオデジャネイロ五輪で金メダルを引き寄せたのは、思い切りの良い正面からのタックルだった。だが、その後は肩の手術もあり、飛び込むことへの恐怖心があった。以前のようなためらいがない一撃を取り戻せるように取り組んできたが、新型コロナウイルスによる五輪の1年延期が1つの決断をもたらした。「それ以外での手取り、片足もある」と攻撃の幅を増やす選択をした。

19年世界選手権ではメダルを逃すなど、勢いで頂点にたどり着いた5年前とは違う。敗北も知ったが「自分の弱さを実感できた」と糧にして、5年前とは違う姿を母国で見せる。