【追憶 桑田真澄〈10〉完】「何より恋愛を勧めたい。恋愛は野球に生きる」

PL学園の桑田真澄。すべての野球好きが胸躍る響きです。10回連載の最終話は、愛する高校野球への提言。示唆に富み、実現に至った言葉もそこかしもに。(2017年6月11日掲載。所属、年齢などは当時。文中敬称略)

高校野球

★球数制限を…実現

来夏の甲子園は100回大会を迎える。毎夏のドラマが100回をつなぐバトンとなった。

PL学園の桑田清原和博のKKコンビのあとにも、星稜・松井秀喜、横浜・松坂大輔らヒーローが生まれた。100回の偉業の裏で、球界は野球人口の減少や無関心層の拡大という難題を抱える。

桑田に高校野球への提言を聞いた。

桑田大学野球の選手人口は増えているし、日本代表が再び世界一を奪還するためにも、野球界は1つになって考える時期に来ている。そのためには、金の卵が高校野球で心身ともに燃え尽きる仕組みは変えないといけない。たとえば投手に球数制限を設ける。投手交代が頻繁になったら甲子園の魅力がなくなるという人がいるが、絶対になくならない。あの過酷な状況下で、高校生が白球に思いを込めてプレーする姿勢は、世代を超えて感動する。日本学生野球憲章にも「部員の健康を維持・増進させる施策を奨励・支援し、スポーツ障害予防への取り組みを推進する」と書かれている。それを実践するのは大人の役目だ。

★女子の甲子園を…実現

週1度は練習休日を作り、心身のゆとりを持たせる。野球は大事だが、勉強も恋愛も、栄養も睡眠も、高校生には大事だと気づいてほしい。

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古代の王国トロイを発見したシュリーマンにあこがれ、考古学者を目指して西洋史学科に入学するも、発掘現場の過酷な環境に耐えられないと自主判断し、早々と断念。
似ても似つかない仕事に就き、複数のプロ野球球団、アマ野球、宝塚歌劇団、映画などを担当。
トロイの 木馬発見! とまではいかなくても、いくつかの後世に残したい出来事に出会いました。それらを記事として書き残すことで、のちの人々が知ってくれたらありがたいな、と思う毎日です。