高校生必読のグラブトス 坂本勇人・片岡治大の「あ・うん」連携/プロの技〈11〉

 「プロの技」最終回は、高難度のグラブトスを取り上げます。華麗な1プレーの下地には、基礎の徹底と的確な状況判断がありました。(2015年8月15日掲載。所属、年齢などは当時)

プロ野球

プロが見せる華やかなプレーの根底には、必ず基本に忠実な技術が存在する。5月14日の広島戦(東京ドーム)、巨人片岡治大内野手(32)と坂本勇人内野手(26)が完成させた連係プレーも、基礎を応用した上でのプレーだった。「弱くても勝てます、ならぬ球児でもできます」―。高校球児必読の大技を「カタサカ」の生の声からひもとく。

★2つの選択肢を想定

5月14日広島戦(東京ドーム)の8回1死だった。巨人片岡は、二遊間に飛んだゴロを真横に追った。逆シングルで捕った後、2つの選択を迫られた。

「自分で一塁に投げるか、勇人にトスするか」。坂本へのグラブトスを選択したが、その際に重要なのは、打球方向と捕球した位置だった。

①一塁から二塁を結ぶ走路から、前や斜め前への打球体を90度回転するだけで一塁へ送球が可能なので、自分で送球する

②一塁から二塁を結ぶ走路から、後ろや斜め後ろへの打球送球には体を180度回転する必要があるため、連係プレーを視野に

選択する上で大事な点は「どちらが素早く、強いボールを投げられるか」だった。

横(=走路と平行)に動きながらの打球だったため、自分で投げることも考えたが、片岡は「勇人が近くにいるのも分かっていたし、勇人の方が強いボールを投げられると思った」とグラブトスを決断した。

通常のグラブトスの場合、ベース上でボールを待つ選手に送るが、このケースでは二塁手の片岡、遊撃手の坂本ともに、打球を追うため、動きながらのトスとなる。トスの強さも大事な要素だが、方向こそが最も難解だという。

★複雑じゃない

①坂本の捕球位置を自分の中で仮定する

②自分の想定以上に、後ろ側にトスする

片岡目印がないところにトスするので、自分の中で(坂本の位置を)イメージすることが大事。トスは後ろにする意識ですね。これまでの何回かは後ろ、後ろと思っていても、結果的に真横になって、うまくいかなかった。大げさに言えば、一塁方向にするようなイメージで。

トスを待つ坂本は「ゲッツーの時と同じような感覚です」と話した。

兵庫県出身。報徳学園、関大を経て、2007年に日刊スポーツに入社。
野球部に配属され、同年12月までアマチュア野球担当、 2008年から11年まで1期目の巨人担当、2012~13年まで西武担当(2013年はWBC担当)、2014~16年まで2期目の巨人担当、 2017~18年までアマチュア野球担当、2019~20年まで3期目の巨人担当、2021年は遊軍、2022年からDeNA担当。26年は遊軍。
身長169・5センチ、体重58~63キロをいったりきたり。