【前編/写真27枚】中日浅尾2軍投手コーチにロングインタビュー【来週は根尾昂】

田村藤夫氏(63)がナゴヤ球場を訪れ、中日浅尾拓也2軍投手コーチ(38)と、今シーズン途中で投手に転向した根尾昂投手(22)にインタビューを行いました。選手の技術面に着目する「ファームリポート」は、22年7月に連載100回を突破。人間性やドラマにも迫る「プレミアムリポート」第2弾は、中日1軍バッテリーコーチ時代、もっとも輝いて見えた浅尾コーチに、当時感じていた質問をぶつけました。稀代のセットアッパーが選手時代に感じていたこと、投手コーチになって考える指導者の在り方、家族、友人のことまで…。今までチャンスがなく聞けなかった質問を通し、内面に迫りました。2日に渡って送ります。

プロ野球

現役引退後、中日の2軍投手コーチに。対話を重視した指導に定評があり、根尾ら若手、故障でファーム調整となったベテランからの信頼も厚い

現役引退後、中日の2軍投手コーチに。対話を重視した指導に定評があり、根尾ら若手、故障でファーム調整となったベテランからの信頼も厚い

■「戦力外通告…つらいです」

田村氏お疲れさま。わざわざ来てくれてありがとう。今日はいろいろ聞きたくて、ちょっと質問を書いてきたんだけど。

浅尾コーチはい。座るのはここで大丈夫ですか?

田村氏はい、大丈夫です。まず、タク(浅尾拓也コーチ)はコーチ何年終わったんだっけ?

浅尾コーチはい、4年終わりました。

◆浅尾拓也(あさお・たくや)1984年(昭59)10月22日生まれ、愛知県出身。常滑北―日本福祉大を経て06年大学・社会人ドラフト3巡目で入団。主に勝ちゲームの8回を任され、抑えの岩瀬とともに抜群の安定感を誇った。10年に挙げた47ホールド、59HPはプロ野球記録。通算232HPは歴代3位。11年、中継ぎ投手で初のMVP。18年限りで現役を引退し、現在は中日の2軍投手コーチを務める。182センチ、78キロ。右投げ右打ち。

田村氏慣れた?

浅尾コーチそうですね。慣れたというよりは、コーチの役目の流れはつかんできたかなと思います。

田村氏選手は毎年だいぶ入れ替わるでしょ? そのへんは大丈夫か?

浅尾コーチそうですね。一緒にやってきた子が戦力外通告を受けるのはつらいです。

田村氏そうだよな。でも、そこはしょうがないよな?

浅尾コーチはい。つらいですけどね。

強い直球と落差十分のフォークを駆使し、岩瀬とのコンビで2000年代後半の強い中日を支えた。マウンドを降りれば素直で謙虚な人柄。絶大な人気を得た。20代中盤の貴重なショット

強い直球と落差十分のフォークを駆使し、岩瀬とのコンビで2000年代後半の強い中日を支えた。マウンドを降りれば素直で謙虚な人柄。絶大な人気を得た。20代中盤の貴重なショット

田村氏タクは選手に怒ることあるの?

浅尾コーチ怒ることですか? 全然ありますよ。

1959年(昭34)10月24日、千葉・習志野出身。
関東第一から77年のドラフト6位で日本ハム入団。93年に初のベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞。
93年オフ、巨人長嶋監督からFA移籍でのラブコールを受け(日本ハムに残留)、96年オフには、当時の王監督(現会長)から直接電話でダイエー(現ソフトバンク)移籍を決断。07年から中日落合監督に請われて入閣した。
ONと落合氏から高く評価された捕手だが、田村氏はそうした経緯について「自分から人に話すことではない」というスタンスをかたくなに守る。42年間のプロ野球生活を経て解説者に。プロ通算1552試合出場、1123安打、110本塁打。