松坂大輔の横浜高が甲子園で春夏V さぁ「秋も横浜」…中日に2差で9月へ/連載12

横浜DeNAベイスターズの25年…四半世紀ぶりの優勝を祈念する企画連載の第12弾は、闘うチームへの変貌です。当時のベイスターズはよく言えばスマート、悪く言えば闘争心に欠けるところがありました。しかし、勝利を重ね、優勝へ向かって突き進むとともに、勝利への執念を見せるカラーに変わってきました。高校野球では松坂大輔擁する横浜高が春夏連覇を達成し、「秋も横浜」のムードが高まってきました。

プロ野球

6時間13分…長時間ゲームに悲鳴

試合が終わったのは午前0時15分。試合開始から6時間13分が経過していました。

権藤博監督は三塁側ベンチ前に出て、引き上げてくる選手の1人1人に「お疲れさん」「ご苦労さん」と声をかけていました。

1998年8月9日、6時間13分の長時間ゲームを終えて喜び合う選手たち

1998年8月9日、6時間13分の長時間ゲームを終えて喜び合う選手たち

1998年8月9日の広島戦(福山)。横浜は4回までに6得点しながら追いつかれ、6―6で延長に入りました。そのまま両チームとも得点が入りませんでしたが、引き分け再試合も見えてきた15回にマシンガン打線が火を噴きました。

この回だけで6安打を放ち、何と8得点。記者席では、原稿の締め切り時間が迫って焦る記者たちから「そんなに打たなくても…佐々木がいるんだから1点で十分でしょ」「もうアウトになってよ」と、悲鳴が上がっていました。

長時間ゲームのスコアボード

長時間ゲームのスコアボード

6時間13分の試合時間は、今なお歴代3位に残る記録です。

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編集委員

飯島智則Tomonori iijima

Kanagawa

1969年(昭44)生まれ。横浜出身。
93年に入社し、プロ野球の横浜(現DeNA)、巨人、大リーグ、NPBなどを担当した。著書「松井秀喜 メジャーにかがやく55番」「イップスは治る!」「イップスの乗り越え方」(企画構成)。
日本イップス協会認定トレーナー、日本スポーツマンシップ協会認定コーチ、スポーツ医学検定2級。流通経大の「ジャーナリスト講座」で学生の指導もしている。