【18年ぶりの再会】西武モンテルの陰影 成人式で父は言った「戦争は本当にダメだ」

プロ野球のペナントレース開幕が近づいています。各球団の育成選手も「開幕までに支配下登録を」とアピールを続けます。西武では育成2年目のモンテル外野手(23)が猛アピール中。モデル体形と思いきや本当にモデル経験がある若者は、なかなか波瀾万丈な野球人生を送ってきました。いよいよ夢が手の届きそうな場所に。思いを尋ねました。

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◆日隈モンテル(ひぐま・もんてる)2000年(平12)3月18日、沖縄県生まれ。金光大阪―OBC高島―琉球ブルーオーシャンズ―四国IL・徳島。22年育成ドラフト2位で西武入団。23年は2軍で21試合出場し、47打数13安打、1本塁打、2打点、打率2割7分7厘。米国人の父と日本人の母を持つ。兄は元ヤクルト投手の日隈ジュリアス。186センチ、88キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸400万円。

「今年もオフに1つ」

モンテルにはモデル経験がある。2年前の秋、もしドラフト会議で指名されなかったら。

「野球、辞めてましたね。モデルやってました。モデル、突き詰めたいなって思った時期もあって。実は今年もオフに1つ、依頼があったんですよ。今回はお断りしたんですけど」

本名は日隈モンテル。高身長に小柄な顔、均整の取れたボディー。とりわけ引き締まった脚の筋肉には、目を見張るものがある。

「これはもう、親からもらったものですよね。身長が去年、187センチで止まって、そこからまた筋肉が付くようになって」

グラウンドに立つと「さすが、モデルをするだけあるな」と感じさせられる。

2月27日、サンマリンスタジアムでの韓国・斗山戦で左翼でスタメン出場した。時間を追うにつれ、西日になり、モンテルが照らされる。緑の芝生と日陰と、モンテルと。実に絵になり、試合展開に関係なく何枚も撮ってしまった。

育成契約で2年目を迎えた。独立リーグの徳島インディゴソックス時代に1、2番を組んだ茶野篤政は同じタイミングでオリックスに育成入団し、そのまま開幕スタメンの座を勝ち取った。やっぱり悔しい。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。