【獅子担日記1】金子真仁記者がつづるライオンズな日々「初夢に球団本部長が登場した」

プロ野球の番記者―。オールドメディアの衰退が叫ばれる今、私たちにも信念があります。近くに迫ることを許された立場で何を見て、何を感じるか。ライオンズ担当として26年シーズンの舞台裏を(時に業務外も含めて)連ねます。題して「獅子担日記」を月2回でお届けします。

プロ野球




■25年12月27日(土)


羽田空港からバスに飛び乗った。最後部の5人掛けにもたれかかる。夜遅く、乗客もまばら。

ターミナル地下でかき込んだ、丸亀製麺の天ぷらの味がまだ残る。食べた、ではなくかき込んだ。何でもいいから、何かで空腹を満たしたかった。

年末の羽田空港に11時間半、滞在した。仕事だ。ライオンズの取材だ。深くは書かない。

もたれかかる―。何でもいいから何かで満たしたい―。仕事の成否は…そういうことだった。

野球の試合を見る。選手に話を聞く。記事を書く。仕事はそれだけじゃなく、むしろごく一部。見えない仕事が多く、しかもそこを成果に導くのは難しい。

疲労感たっぷりの仕事納めに人生を感じる。バスは湾岸線を疾走。崩れた体勢でスマホでXを開く。

「2026年シーズンも引き続き、ライオンズの取材を担当させていただきます」

投稿。温かい反応をいただく。あぁ、なんか無意識に励ましてもらいたいのかな、自分―。己の小ささが笑える。バスはベイブリッジを通過する。

私はこっち方面に住んでいる。所沢は遠いけれど、来年も頑張ろう。取材も通勤も。


小田原市「正庵」のかけそばとカツ煮

小田原市「正庵」のかけそばとカツ煮

■12月29日(月)


立ち寄った城下町小田原のそば店に、井上広輝投手(24)のユニホームが飾られていた。

3度目の訪問だ。店主さんが井上をよく知っている間柄だと以前、聞いた。井上ともそんな雑談をしたことがある。

井上、ではなく「井上さん」になった。オフに戦力外通告を受けた。もう西武の選手ではない。どうやらNPBからも去る。

26年シーズンは西武に100人近い選手が在籍する。10年後にはその大半が「元西武」または「元プロ野球選手」の肩書に。

26年の選手名鑑の編集が始まっている。選手の「寸評」(この言い方、ちょっと上から目線に感じて私は好きではないが)を書きながら、人の移り変わりをダイレクトに感じる。

箱は変わらず、ファンはずっと応援し続けても、選手はどんどん入れ替わる。だから「ライオンズ」のブランドこそが生命線。

ライオンズでプレーした選手が、去った後もその日々を誇れるように―。町歩きして冷えた体には「かけそば&カツ煮」のコンビが染みる。



■12月31日(水)


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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。