高橋大輔の熱い言葉が覚悟をくれた 櫛田一樹「最後の全日本で」成し遂げたいこと

フィギュアスケート男子の櫛田一樹(24=倉敷FSC)は、今季を「ラストシーズン」と定めています。

昨季限りで引退する選択もあった中、今季をやり切った上で現役を退くと決断しました。その背景には、高橋大輔さんの存在がありました。

8月のげんさんサマーカップ(木下カンセーアイスアリーナ)。合計171・22点で10位となった後、思い返していたのは昨年末の全日本選手権でした。(敬称略)

フィギュア

22年12月25日全日本選手権、フリーの演技をする櫛田。このとき、引退か現役続行か決められずにいた

22年12月25日全日本選手権、フリーの演技をする櫛田。このとき、引退か現役続行か決められずにいた

22年全日本以来となった8月13日のげんさんサマーカップ。「声援をいただけて、やっぱりスケートって楽しいなって実感できました」

22年全日本以来となった8月13日のげんさんサマーカップ。「声援をいただけて、やっぱりスケートって楽しいなって実感できました」

「そこで出会わなかったら僕は・・・」

運命だったのかもしれない。

「そこで出会わなかったら、僕はやめているかもしれないです」

2022年12月25日。大阪・東和薬品ラクタブドーム。

男子フリーを見終えた櫛田一樹は、控室へと続く通路を歩いていた。胸の内は揺らいでいた。

現役を続けるべきか、辞めるべきか-。

6度目の全日本選手権を終えてもなお、決心はつかないままだった。

その時だった。リンクの出口に、その人は立っていた。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。