【箱根駅伝story〈19〉青山学院大】“副主将不在”で新チーム始動…若林宏樹の決意

青山学院大(青学大)は“副主将不在”で、2年連続8度目の箱根駅伝優勝へ向けて始動しています。

従来は主将、副主将、寮長、主務の4人が「四役」としてチーム運営を担ってきましたが、現時点では副主将を決めていません。新たに寮長に就任した若林宏樹(3年)が、2月23日の「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」(招待男子5キロ)の後に、その理由を打ち明けました。

1月の箱根駅伝で5区区間2位と好走した“若の神”は、この春から最上級生となります。新主将の田中悠登(3年)、新主務の片桐悠人(3年)とともに「三役」を務めながら、正真正銘の“山の神”を目指します。

陸上

「全員が副主将のつもりで」

2024年2月23日。雨が降りしきる神宮外苑。

若林は聖徳記念絵画館前のテント内で、記者と向き合いながらつぶやいた。

「今年は三役なんです。副主将がいないので」

決まらなかったのではない。

新4年生で意見を重ね、あえて決めなかったのだ。

「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」の招待男子5キロに臨む青学大・若林(撮影・藤塚大輔)

「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」の招待男子5キロに臨む青学大・若林(撮影・藤塚大輔)

「全員で取り組みたいと思いました。新4年生の中では主将はつくらず、全員が副主将のつもりでいこうと考えています」

まずは副主将不在で、シーズンへ臨んでいく。

その決定の背景には、前チームでの教訓があった。

「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」の招待男子5キロを見守る青学大・原晋監督

「ADIDAS TOKYO CITY RUN 2024」の招待男子5キロを見守る青学大・原晋監督

前半シーズンの反省「チームではなく個人に…」

箱根駅伝が終わった後のこと。

新4年生だけで話し合う時間をとると、この1年の反省として「差」というワードが共有された。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。