【青木祐奈の言葉】4年冬「最後かも」揺れる胸中、迫る決断…13分間の本心/国スポ

青木祐奈(22=日本大)が今後の進退について、悩める胸中を打ち明けました。合計167・37点の8位となり、フリーの演技を全うした後に取材対応。目に涙をためながら、今の率直な思いを口にしました。21年全日本選手権ではSP最下位となりましたが、そこから復活の道を歩んできました。昨年11月には初のGPシリーズとなったNHK杯で日本勢最高の5位。同12月の全日本選手権では2年連続の1桁順位となる9位に入り、年始の日本学生氷上選手権(インカレ)では初優勝も収めました。今後はアイスショー「滑走屋」やチャレンジカップ(22~25日、オランダ)出場を控えており、周囲の声も聴きながら、最終的な決断を下すといいます。約13分間にわたって紡がれた言葉を、ありのままにお届けします。

フィギュア

<フィギュアスケート:国民スポーツ大会(旧国体)冬季大会>◇1月28~31日◇北海道・nepiaアイスアリーナ◇成年女子

まだ確定したわけでは

―演技を振り返っていかがですか

青木 (涙を目に浮かべながら)これがもしかしたら最後かもしれないと思うと、うるっときてしまいました。サルコーや後半で乱れてしまって、自分でもあまり失敗しないようなジャンプだったので、ちょっと動揺してしまったことが悔しいです。

―今季は節目となる大学4年生シーズンでした。ここまでをどのように振り返っていますか

青木 大学4年生という節目の年に、たくさんの機会をいただいて、それに自分として応えることもできて、すごく充実したシーズンになったと思います。もちろん、悔しいところもありますが、良い年になったのではないかなと思います。

国民スポーツ大会冬季大会 成年女子SPで演技を披露する青木(すべて撮影・藤塚大輔)

国民スポーツ大会冬季大会 成年女子SPで演技を披露する青木(すべて撮影・藤塚大輔)

―競技人生を振り返っていかがですか

青木 そうですね…(涙)。何回も辞めたいと思ったので。正直、楽しい時よりも、大変な時の方が多かったんですけど。最後の残り2年、MF(アカデミー)に移ってからは、楽しいなと思うことが増えて、毎日毎日、充実していたので、それが結果にもつながって、良いかたちで締めくくれたかなと思っています。

―今季はGPシリーズ初出場やインカレ優勝と結果を残されてきました。「最後かもしれない」とのことですが、一方で、まだまだ向上しています。現役続行への思いはいかがですか

青木 数年前の自分よりも、全日本で戦うレベルへ戻ってくることができたかなと思うので、そこは成長を感じました。でも、こういう大会でもコンスタントに成績を出して、内容のあるものを出すのがトップ選手だと思っていて、そこまで自分はいっていないのかなって。何か、ちょっと疲れたところもあるというか、やっぱり続けるのであれば勝ちたいですし、そういう気持ちを持ち続ける覚悟が、なかなかできないので。もちろん、まだ確定したわけではありませんが、今回は節目の試合だと思っていました。

―「まだ確定ではない」とのことですが、青木選手にとって、スケートとはどういうものですか

青木 スケートがなかったら私の生きがいもなかったかなというか、私の一部になっているので。滑っている時の自分が一番好きですし、もちろん選手を引退してもスケートに関わっていきたいと思っています。私を、人としてもここまで成長させてくれたものなのかなと思っています。

成年女子フリーの演技後に取材対応する青木

成年女子フリーの演技後に取材対応する青木

「節目の試合」と意味づけた背景

―まだまだ青木選手がスケートを滑っている姿は見られそうですか

青木 そうですね。アイスショーなどは出ていきたいなと思っています。体がついていかなくなるまで滑りたいと思っているので、皆さんの前で滑っていきたいと思います。今後どうなるのかは確定ではないですが、今までたくさん支えてくださって、ファンの皆さんのおかげでここまで頑張れたので、感謝の気持ちでいっぱいです。

―「節目の試合」とのことですが、あらためて、そう思った時期や経緯を教えてください

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。