吉岡希が求めた助言「どうすればもっと良くなるかな?」櫛田一樹が感じ取った変化

フィギュアスケートの全日本選手権が12月20日から大阪・東和薬品RACTABドームで幕を開けます。

男子で前回8位の吉岡希(21=法政大)は、上位進出を狙う存在です。22年ジュニアグランプリ(GP)ファイナル、23年世界ジュニア選手権でともに3位となり、今季は2年連続でGPシリーズ・スケートアメリカに出場。課題とする表現面とも向き合いながら、技を磨いています。

4学年先輩でジュニア時代から関係が続く櫛田一樹(25)の言葉を交えながら、今季にかけての変化や10月のスケートアメリカでの姿を描きます(敬称略)。

フィギュア

全日本までは「短いかな」スケアメで痛感した課題

2024年10月20日。

吉岡は2度目のスケートアメリカを8位で終え、会場の取材エリアで一夜明け取材に応じていた。

全日本選手権まではちょうど2カ月。

スケートアメリカの男子SPへ向けた公式練習に参加した吉岡(2024年10月撮影)

スケートアメリカの男子SPへ向けた公式練習に参加した吉岡(2024年10月撮影)

ショートプログラム(SP)前日の公式練習後には「アメリカ大会が終わったら、全日本までは何もないのでしっかりルッツの練習をできたら」と4回転ジャンプに力を入れる発言をしていたが、大会後には言葉にも変化があった。

「ジャンプ以外にもやることがたくさんある。全日本まで2カ月あるんですけど、今はちょっと短い気がしていて。それぐらい、たくさんやることがあるので」

大会前には「全日本まで何もない」と構えていたが、フリーから一夜明けると「短い」と言い直していた。

そう思ったのは、表現面が力不足だと感じたからだ。

「ステップは動きも硬くて。まだまだかなと思います」

スケートアメリカでは、課題が浮き彫りとなった。

80・79点で7位となったSPの演技構成点(PCS)は、10番目の36・14点。135・13点で11位となったフリーでも、10番目の70・66点にとどまった。

「コレオも危なかったので、ちょっと焦っちゃった面もありました。難しいです」

スケートアメリカのフリーで演技を披露する吉岡(2024年10月撮影)

スケートアメリカのフリーで演技を披露する吉岡(2024年10月撮影)

現在は平日に林祐輔、週末に長光歌子の指導を仰ぎ、表現力の向上にも力を入れているが、まだまだ成長過程の最中にある。

ただ、昨季からの変化もある。

教えてくれたのは、昨季限りで現役を引退した櫛田だった。

今も平日の練習では行き帰りなどで行動をともにすることが多いという“兄貴分”は、こう証言する。

「スケートへの思いがだいぶ変わってきているんだなと思います」

全日本選手権でSPの演技をする櫛田(2022年12月23日撮影)

全日本選手権でSPの演技をする櫛田(2022年12月23日撮影)

出会った時に感じ取った気質「僕が面倒を見る役目に」

櫛田が吉岡と初めて出会ったのは、数年前の北海道での夏合宿だった。

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。