壷井達也は競技に真摯に向き合う その背中を後輩たちは見ている

フィギュアスケート男子の壷井達也(22=シスメックス)が全日本選手権で自己最高の3位に入り、来年2月の4大陸選手権(韓国・ソウル)、同3月の世界選手権(米ボストン)代表に選出されました。ショートプログラム(SP)14位からフリー3位と巻き返し、合計247・31点を記録しました。

今季は11月のGPシリーズ第4戦NHK杯でも3位と躍進。地道に努力する姿は、他のスケーターにも影響を与えつつあります。(敬称略)

フィギュア

◆壷井達也(つぼい・たつや)2002年(平14)12月17日、愛知・岡崎市出身。3歳から競技を始め、2012年から全日本ノービス選手権に4年連続出場。中学2年だった2016年全日本選手権で初出場ながら10位。2018年4月から愛知・中京大中京へ進学。同年の全日本ジュニア選手権優勝、全日本選手権7位。2021年4月から神戸大学国際人間科学部に進学。2022年世界ジュニア選手権3位。同年からシスメックスの所属となり、GPシリーズに初出場。2024年11月のGPシリーズNHK杯3位。同12月の全日本選手権で自己最高の3位。2025年4大陸選手権、同世界選手権代表。身長165センチ。

全日本選手権男子フリーで演技する壷井(撮影・前田充)

全日本選手権男子フリーで演技する壷井(撮影・前田充)

2つの山場を乗り越えて4大陸&世界選手権代表へ

今季の壷井には、2つの山場が待ち構えていた。

NHK杯と全日本選手権である。

ともに国際大会の派遣にかかわる試合。26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪を目指すにあたって、高い順位と得点を残す必要があった。

それだけではない。

この2試合は、過去の苦い記憶とも向き合わなければならなかった。

代々木第一体育館(2019年12月18日撮影)

代々木第一体育館(2019年12月18日撮影)

NHK杯の会場となった東京・代々木第一体育館は、2019年の全日本選手権でSP直前に右足首のケガを再発し、棄権を余儀なくされていた地。全日本選手権の会場となった大阪・東和薬品RACTABドームも、2023年のNHK杯でSP最下位にとどまった場所だった。

壷井はNHK杯の前日に自ら切り出した。

「ここに来るのは5年ぶりで、前に来た時は全日本でした。6分間練習でケガをして出ることができなくて。その時、大会に出ることができなかった悔しさを含めて、代々木体育館という会場で全てを出し切りたいと思います」

そして5年前の全日本を「スケート人生の中で、一番悔しかった出来事」と振り返っていた。

NHK杯男子フリーの演技を終える壷井(2024年11月9日撮影)

NHK杯男子フリーの演技を終える壷井(2024年11月9日撮影)

そんな中、本番では会心の演技を披露。SP、フリーともに大きなミスなく滑り切り、合計251・52点で3位となった。

「諦めずにスケートに向き合って努力し続けてきて『本当に良かったな』と思える試合でした」

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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。