“マリニン先生”が合同練習で授けたこと 選手たちが触れた世界王者の素顔

フィギュアスケート男子で3月の世界選手権で2連覇したイリア・マリニン(20=米国)が“先生役”を務めました。

アイスショーや4月17日開幕の世界国別対抗戦(東京)に出場するため、4月上旬から日本に滞在中。7日からは3日間にわたり、京都・宇治市内の木下アカデミー京都アイスアリーナで練習に参加しました。中村俊介(19)をはじめ、千葉百音(19)や島田麻央(16)らにジャンプの跳び方などをアドバイス。

最終日だった9日の公開練習の様子を、各選手のコメントを交えながらリポート。日本選手たちが得た学びと、世界王者が大切にしている信念に迫ります。(敬称略)

フィギュア




◆イリア・マリニン2004年12月2日生まれ、米バージニア州フェアファックス出身。NHK杯で2度優勝の母タチアナさんと長野五輪19位の父スコルニアコフさんのもと、6歳で競技を始める。22年世界ジュニア選手権優勝。同年に史上初めてクワッドアクセル(4回転半)を成功。23年からGPファイナル2連覇。24年から世界選手権2連覇。「4回転の神」の愛称で知られており、自身のインスタグラムのユーザー名には「quadg0d(4回転の神)」を使用。身長174センチ。


“マリニン先生”の熱血指導


笑顔で練習を見守るマリニン(撮影・前田充)

笑顔で練習を見守るマリニン(撮影・前田充)


“マリニン先生”はリンクの端で静かに見守っていた。

視線の先には、1歳年下の中村俊介。2年連続で世界ジュニア選手権に出場した19歳は、何度も4回転トーループに挑んでいた。

ジャンプを跳び終えると、2人はすぐに話し合う。

マリニンは何度も同じジェスチャーで指導をしていた。


マリニン(右)からアドバイスを受ける中村(撮影・前田充)

マリニン(右)からアドバイスを受ける中村(撮影・前田充)

ジャンプの軌道へ入る時の右手の操り方。トーを突く瞬間の上体の姿勢。空中で体を締めるまでの動き。

終盤には1回転から跳ばせて、感触を確かめ合う姿もあった。

中村はそのたびにうなずき、根気強くジャンプを跳びにかかる。

約1時間の練習時間が、残り5分となったころ。

中村が4回転トーループをクリーンに着氷させた。

遠くで眺めるマリニンは、手を5回たたきながらほほ笑んでいた。

練習に臨むマリニン(左)と中村(撮影・前田充)

練習に臨むマリニン(左)と中村(撮影・前田充)


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岐阜県不破郡垂井町出身。2022年4月入社。同年夏の高校野球取材では西東京を担当。同年10月からスポーツ部(野球以外の担当)所属。
中学時代は軟式野球部で“ショート”を守ったが、高校では演劇部という異色の経歴。大学時代に結成したカーリングチームでは“セカンド”を務めるも、ドローショットに難がある。