【バレー新時代〈30〉】サントリーVの舞台裏 高橋藍が語った「みんな」とは誰か

SVリーグ初代王者に輝いたのは、レギュラーシーズン(RS)2位のサントリーサンバーズ大阪でした。5月5日に千葉・LaLa arena TOKYO-BAY(ららアリーナ東京ベイ)で行われた決勝第2戦で、同4位のジェイテクトSTINGS愛知にストレート勝ち。セットカウント0-2から逆転でものにした3日の第1戦からの連勝で優勝を決めました。前身のVリーグから連覇となって、通算11度目の日本一。全日本選手権との2冠を達成しました。その裏には、今季イタリアリーグからサントリーに加入した高橋藍(23)の献身、セッター大宅真樹(30)の苦悩からの復活などがありました。

バレーボール

SVリーグの初代王者に輝き、喜ぶ高橋藍(後列右から2人目)らサントリーの選手たち=2025年5月5日

SVリーグの初代王者に輝き、喜ぶ高橋藍(後列右から2人目)らサントリーの選手たち=2025年5月5日

苦戦した立ち上がり「自信なかった」

プレーオフMVPに輝いた高橋は、SVリーグの全ての戦いを終えた時にこう語った。

「しんどい場面が多かったけど、集大成が出せた。そこをほんとにみんなで信じて戦い抜けたということ。本当に今シーズン一番いいバレーボールを今日出せたんじゃないかな」

チャンピオンシップMVPのトロフィーを手に、兄の塁(左)と笑顔を見せる高橋藍=2025年5月5日

チャンピオンシップMVPのトロフィーを手に、兄の塁(左)と笑顔を見せる高橋藍=2025年5月5日

その表情には、やり遂げた達成感と仲間への深い信頼がにじんでいた。

しんどい場面-。それは、決勝のコートだけを指す言葉ではなかった。

昨季はセリエAで日本人2人目の決勝を経験。日本代表でも攻守の要として、24年はネーションズリーグ銀メダルに貢献した。そして昨年の秋、リーグの“顔”としての期待を一身に背負い、史上最高レベルの年俸1億円超の契約でサントリーに入団。まさに「鳴り物入り」だった。

だが、華々しいスタートとは裏腹に、開幕当初は日本特有の徹底された守備システムに苦戦を強いられた。開幕カードは、同じ代表の西田有志を擁する大阪Bにまさかの連敗。昨年から悩まされる左足首痛で数試合の欠場を余儀なくされた。

「最初はすごく自信がなかった。スタートとしては一番良くないスタートを切ったなっていう思いがあった」と人知れず葛藤を抱えていた。

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スポーツ

勝部晃多Kota Katsube

Shimane

島根県松江市生まれ。2021年4月入社。高校野球の神奈川担当などを経て、同年10月からスポーツ部に配属。バトル班として新日本プロレスやRIZINなどを担当し、故アントニオ猪木さんへの単独インタビューや武藤敬司氏の引退試合、那須川天心―武尊などを取材した。 23年2月から五輪班に移り、夏季競技はバレーボールを中心に担当。同年秋のW杯や24年夏のVNLなど。冬季競技はフィギュアスケートをメインに務め、全日本選手権は2年連続で取材中。X(旧ツイッター)のアカウントは「@kotakatsube」。