昨年12月蒲郡で優勝した今井美亜(35=福井、写真)のレース後の涙に心震えた。19年徳山でのクイーンズクライマックス以来の優勝に「もう優勝できないんじゃないかと思った」と吐露するほど、苦悩を乗り越えた優勝だった。
女子戦最高峰の戦いで3コースから鮮やかなまくり差しでイン遠藤エミを下し、今井時代が到来すると期待するファンも多かった。そこから6年も勝てないとは誰も想像できなかった。
今井のレースで最初にすごみを感じたのは16年8月、津のレディースチャンピオンだった。F2の足かせがありながら度胸満点のスタートを連発。4連勝で優勝戦に進出。優勝戦は5着だったものの、2コースから果敢なツケマイで逃げたイン海野ゆかりを脅かした。そこから頂点に立つまでの過程の輝きが鮮やかだっただけに、優勝できなかった6年の戦いがもどかしかった。
最も優勝に近づいたのは昨年6月浜名湖オールレディース優勝戦2枠の戦いではなかったか。当日、直前気配を訪ねると、いつも丁寧に応対してくれる今井が「最後まで調整は続けるので分からない」と素っ気なかった。それほど集中して挑んだ戦いも、イン若狭奈美子への渾身(こんしん)の差しは届かなかった。
「経験も技術もほんとの力が付いてなかったのにクイーンズクライマックスを勝ったことで、自分に変なプレッシャーがかかってしまったのかも…」。勝てなかった日々で話した苦悩から解放されて、今年は再び頂点を目指す第2章が始まる予感しかしない。























