注目選手の2人目には、ただ1人の初出場・丸野一樹(30=滋賀)をピックアップした。今年は3度のG1優勝(うち1つはプレミアムG1)に、大けがなど紆余(うよ)曲折あったが、見事にリカバリー。一流レーサーの多くが認めるターン精度の高さで、史上5人目となる初出場初優勝を狙う。

<注目選手(下)>

丸野は待望の初出場に「遠回りしました。やっと出られます」と、喜びをかみしめた。選出11位で、今年ただ1人の初出場。峰竜太ら多くのトップレーサーが認める逸材が、いよいよ頂上決戦の大舞台を踏む。

今年は波瀾(はらん)万丈の1年だった。3月までにG1優出3度のうち、優勝2度。完全本格化のムードで、賞金争いを引っ張った。しかし、7月に左手を骨折。流れは暗転したが、わずか1カ月後の復帰戦となった8月蒲郡SGメモリアルで、いきなり優出(5着)。さらに、直前の鳴門プレミアムG1ボートレースバトルチャンピオントーナメントで優勝。手負いの状況でも、俊敏かつ的確なターン力を発揮した。

オフには「中学のころからお世話になっている」というトレーナーと、ボートレーサーに必要な体作りへの研さんを積む。「トレーニングで峰さんに勝てても、水上で勝てないと意味がない(笑い)」。初出場でも、選出1位の峰ら並み居る強豪へ、気後れすることなく、ターン勝負を挑む。【窪寺伸行】

◆丸野一樹(まるの・かずき)1991年(平3)8月5日、京都府京都市生まれ。109期生として11年11月びわこでデビューし、初出走で1着。16年5月三国で初優勝。19年8月のびわこ周年などG15度優勝、SG優出1度。通算優勝19度。同期は永井彪也ら。166センチ、54キロ。血液型A。

※明日はトライアル総展望