【大上悟・オレに任せろ】

 ◆11R:ヤンググランプリ 大激戦が若手登竜門のお約束で、今年もオール9車が機動型という大混戦の様相だ。このもつれを断つのは渡辺雄太の一撃だ。

 前場所の伊東G3は1予を逃げ切ったが、2予で苦い敗退を喫した。赤板で強引に先行したが最終ホームで田中誠にたたかれた。「まさかと、油断して流しすぎました」。振り返りつつ言葉を失った。

 渡辺の失態で番手の新田康仁は混戦に巻き込まれ、3着に食い込むのがやっとだった。「あれだけ緩めたら落車負傷から体が戻っていない俺だっていくぞ」の言葉にうなだれた。その甘さを翌3日目に先行逃げ切りで修正した能力は波乱の登竜門に生かされる。

 師匠は伯父でG1・2冠の渡辺晴智(42=静岡)だが、初の舞台にも激励の言葉はなし。「いつも通りに戦うだけですね」と無言のげきに背中を押される。ナイター練習で本番のバンクコンディションを想定した最終チェックも完了した。

 番手は杉森輝大で2車。別線の2車は中部勢と奈良勢で残る3車は単騎。単騎の野口大誠や野原雅也の番手を最後まで選択しなかった日野博幸は渡辺の3番手の可能性が高い。追い風を得て、初出場Vだ。

 3連単は(2)=(5)から全。