【山本幸史・ヤマを張れ】

 ◆11R:ガールズグランプリ 梶田舞が、再び女王の座に返り咲く。今年は74戦52勝、優勝は自己最多の14回。この中にはガールズケイリンフェスティバルのタイトルも含まれている。競輪場に姿を現すと「いままでよりも今年が一番迫力があると思います。一番いい状態かなと思います」と静かに、だが自信にあふれた口ぶりで言った。2年前に岸和田で制したガールズGPよりも手応えありだ。

 GPの聖地・立川も追い風になる。デビュー以来、栃木登録ではあるが、もともとは東京・台東区出身。「22歳まで住んでいたので。お世話になった東京へ恩返しですね」と笑う。しかも、立川バンクも大得意。節目の100勝を飾ったばかりか、10戦9勝。唯一の着外は初出場で5着だった3年前のガールズGP。だが、このときは極度の腰痛を抱えていた。「あのときはまともに歩けないくらいだった」と振り返る。今開催、いつになく笑顔が見えるのも心身が充実している証しだ。

 展開が激しくなるガールズGPだからこそ、最後は梶田の出番になる。先行に迷いがないのは奥井。だが、逃げて持ち味を生かしたい尾崎がカマシで襲い掛かる。山原も積極策をにおわせており、少なくとも、一本棒の展開にはならない。隊列が短くなったところで仕掛けられるのは梶田。しかも位置取りのうまさは天下一品。児玉より前で、先に仕掛けて女王の座を奪い返す。対抗は児玉だが攻め幅が広がった高木、大舞台でのマーク術が光る石井が連対候補。奥井が逃げ残る2、3着で高配当を狙う。