バンクを走る選手が、その前後に立ち寄るのが検車場。そこは、どんな様子? F2開催2日目が争われた、大宮競輪の検車場をウオッチング。撮影は定点観察のようにカメラを一定のアングルにして、1Rが始まる直前の11時から2時間おきに4度行った。

11時ごろの検車場(撮影・野島成浩)
11時ごろの検車場(撮影・野島成浩)

 11時。右端は1R7番車の村上輝久。選手紹介の後で検車場に戻ると、近くにいた選手に話しかけて緊張をほぐす。いすに腰掛けてシューズを見つめるのは加美山隆行。当該のレース後に声をかけると「シューズ? 裏側の細かいごみを取ったり調整していた。いろいろ試行錯誤して、そろそろ結果が出るかも」と前向きだった。加美山の奥のローラー台には村本慎吾の姿。12時32分発走の4Rに備えている。

13時ごろの検車場(撮影・野島成浩)
13時ごろの検車場(撮影・野島成浩)

 13時。1、2班の準決を走る選手が本格的にアップしている。中央で自転車を持つのは高橋広大。今節の地元エースは決勝進出はできなかったが、最終日9Rは高橋幸司と同期ラインで意地を見せる。右端では、山崎輝夫が高げたを左右交互に踏んで体をほぐしている。その後、見事に準決9Rを突破。「準決突破は昨年7月以来。地元でできてうれしい」と言葉が弾んだ。

15時ごろの検車場(撮影・野島成浩)
15時ごろの検車場(撮影・野島成浩)

 15時。時計の右下にいる報道陣の脇を、夏目新吾が歩く。およそ20分後の9R。果敢に逃げたが、直線で失速。それでも気持ちは折れずに「最終日も先行」と話した。右端には、自転車を整備する群馬勢が映った。左からTシャツ姿の加藤貴宏と長岡豪、久保田敦。ギア交換を始めた長岡が途中で面倒がり、加藤が「なんでオレがやるの?」と言いながらも代行した。

17時ごろの検車場(撮影・野島成浩)
17時ごろの検車場(撮影・野島成浩)

 17時。クールダウンや自転車整備を済ませた選手が宿舎に入ってひっそりとする。今節の主役は、A級で競走得点トップの小原唯志。右の最も奥に青色の自転車を置く。フレームの下部には武田豊樹と刻印されてあった。【野島成浩】