単騎の郡司浩平(29=神奈川)が、17年ウィナーズC以来となる2年6カ月ぶり2度目のG2優勝を決めた。逃げた山崎賢人の3番手から会心のまくり一撃。KEIRINグランプリ(GP)初出場へ大きく前進した。2着には内に切り込んだ佐藤慎太郎、3着は平原康多が入った。

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南関のエースが、堂々たる勝ちっぷりで2つ目のタイトルを手にした。胴上げには千葉、静岡の選手も加わった。南関の誰もが、郡司の優勝をたたえていた。

「スタートで出遅れた」。初手は想定外の山崎ライン後位の9番手。だが、山崎が先行態勢に入ると「入れてくれなければ外並走でも」と、平原との位置取り争いを覚悟した。その気迫で3番手を確保した時点で勝負あり。「前回(ウィナーズC)は『取れちゃった』という感じだった。今回は取りにいって取れたので、自信になった」と胸を張った。

病床の先輩を勇気づける勝利だ。初日2Rで林雄一がレース中に心停止となり、救急搬送された。宿舎で郡司とともに過ごした堀内俊介は「いつもと変わらない感じでしたね」。動揺は見せず、勝負に集中してきた。その林は16日までに、会話ができるまで回復。「帰りに病院でひと言声をかけたい。最高の報告ができる」。先に見舞った中村浩士は「力強く握手してくれた」と話しており、笑顔で喜びを分かち合うはずだ。

2年前の悔しさが原動力となっている。賞金ランク7位に浮上し、初のGP出場が見えてきた。ウィナーズCを制した17年の地元平塚GPは、次点で出場を逃している。「そのときの気持ちは一生忘れられない。GPは意識しないといえばうそになる。まだG1があるし、もちろん、優勝して出るのが確実」。視線の先にあるはG1タイトルのみ。来月の寛仁親王牌で、今度こそ初の栄冠を手にしてみせる。【山本幸史】

◆郡司浩平(ぐんじ・こうへい)1990年(平2)9月4日、横浜市生まれ。市立横浜商卒。父で師匠は引退した郡司盛夫氏。99期生として11年1月にデビュー。G2は17年ウィナーズC(高松)を制覇。通算成績は670戦216勝。通算獲得賞金は2億7597万6700円。167センチ、80キロ。血液型A。