【大上悟・オレに任せろ】

 ◆12R

 準決へ、ハイスピードの戦いは、さらに激化する。準決へ完走フリーパスのローズカップはタテ勝負基本で3車結束の中部勢と近畿勢の対決構図だ。ナショナルチームで鍛え上げられた深谷知広、脇本雄太が先頭で風を切ろうとする。機動力が互角なら、師弟の絆を買う。

 金子貴志が前を託す愛弟子深谷の完全復活は時間の問題だ。初日メイン12Rは深谷が赤板先行。落車のアクシデントから、番手にはまった新田祐大に直線で差し切られたが、ナショナルチームで結束した北勢の2段駆けを封じた。

 ローズカップはその番手だ。初日に深谷の番手で別線の反撃をブロックした浅井康太が迷うことなく3番手を宣言した。それなら負けられない。「深谷の番手を回るからには」と師匠は言葉を強めた。

 8月の地元豊橋G3の決勝は師弟連係で優勝を飾った。それ以来の連係には期するものがある。6月のG1高松宮記念杯・最終日の落車で、左ひじ関節を負傷し「まだ激痛が消えない」。復活目前の愛弟子を最高のカンフル剤に、師匠も復活劇をにらむ。

 ここも深谷が早めに仕掛けるが、脇本との壮絶な主導権争いが濃厚だ。金子にとって脇本の番手三谷竜生には初日の借りがある。まくる三谷をブロックしたが「上を乗り越えられてしまった」。近畿勢を再度ブロックして借りは返す。浅井のトリッキーな動きも追い風に近畿勢を不発に追い込む。果敢に逃げ粘る愛弟子とゴール前勝負で師弟ワンツーだ。3連単は(4)=(2)から総流し。