【中野公博・福腹スペシャル】

◆12R:決勝 「108人の中で一番準備をして挑んだ」。地元G1ラストチャンスと意気込む諸橋愛が、悲願のタイトルをつかむ。

寛仁親王牌は全プロトラック競技出場予定者で、平均競走得点上位者が選考対象。実力者の諸橋といえども「寛仁親王牌は出にくい大会。関東地区の大会はレベルが高い」と、来年の親王牌に出られる保証はない。だからこそ、年頭から今大会に照準を合わせ、心血を注いできた。

激しいレースタイプの諸橋だが、今開催は入れ込むことなく、落ち着いた「静」のリズムで臨めている。「練習から淡々と。レースも淡々と」。そこまで落ち着いて運べるのは、修羅場をくぐり抜けてきた経験が大きい。ピークの持っていき方も熟知。バンクも熟知。準決11Rは真杉匠がまくられても、冷静な状況判断で2着を確保した。

「セッティング、体調面は今の時点で完成形で準備できた」と、心技体が一致して準備は整っていた。3日間走ってもそれは変わらない。「初日同様の能力が出れば戦える」。表情からは自信が満ちあふれていた。

「決勝に乗るからには、1%でも可能性があれば狙っていきたい」。準決後、そう話した諸橋に、犬伏湧也という絶好の目標が出てきた。もちろん、番手を主調した。そこがタイトル獲得へ、一番の近道だから。

犬伏が主導権を握れば、あとはなりふり構わずに差して、G1最年長優勝(松本整、引退=45歳19日)の記録を塗り替える。(4)-(2)(3)(1)(9)-全の計28点で勝負。

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