準決11Rの佐藤慎太郎のコース取りはさすがだった。

菅田壱道がまくれないとみるや、内に切り込み、井上昌己より先に肩を出した。外から降りてくる松井宏佑にもしっかり対処して3着。並走している相手に肩を出すことは非常に大事だ。簡単そうに見えて実はそうでない、奥の深いさばきを見せてもらった。

ヤマコウが決勝の本命に推した平原康多
ヤマコウが決勝の本命に推した平原康多

決勝の本命は平原康多だ。スタールビー賞の平原は吉田拓矢の番手で、松浦悠士と絡み9着。これは松浦の実力を見誤っただけで、調子は悪くないと思う。準決では吉沢純平のバックの動きを判断してまくっていったことを「いい判断ができているのは調子がいい証し」と言っている。

決勝レースを読み解くと、清水の前を走る松浦の出方が気になる。スタールビー賞では吉田を出させて3番手からまくった。松浦は「(吉田が)来るのが早かったし、ホームで緩めなかったので仕掛けなかった。結果的に成功しなかったので、その分も決勝で頑張る」と意気込みを口にする。松浦は枠も良くない上に本格先行不在なので、前受けしてからのカマシを狙うだろう。

その時に3番手にいるのは、1番車(佐藤)を擁する平原だろう。もしかすると、競輪祭の決勝のこともあるので、番手も視野に入れているかもしれない。

最終ホームは松浦先行、3番手に平原、今の松浦-清水をまくることができる選手(このレースでいうなら、後方になるであろう郡司浩平と三谷竜生)はあまりいないので、平原にチャンスが訪れるのではないか。(日刊スポーツ評論家)