平塚競輪場の見なし直線は54・2メートルで、最大カントは31度28分。風の影響は考えなければいけないが、直線が短く、カントもきつくないので早めの仕掛けが必要となる。

ヤマコウ(左)と石井寛子は「鬼滅の刃」キャラクターに扮してポーズ
ヤマコウ(左)と石井寛子は「鬼滅の刃」キャラクターに扮してポーズ

8年連続の出場になる石井寛子は、グリーンを基調としたドレス姿で前夜祭に登場した。場慣れしているはずなのにインタビューは言葉選びに慎重だった。レースと同じで、いつも考えながら答えている。今節も「調整はしっかりできている」と言うものの「ガールズのレベルが上がっているので、強くなったのかは分からない」と煙に巻く。

ガールズGPは、いわき平ガールズケイリンフェスティバルの決勝に似ている。スタートからけん制が入り、児玉碧衣が前を取らされた。最終ホームで梅川風子がカマし、飛び付いた児玉はまくり切れず3着。最終的には直線伸びた高木真備が優勝した。全く動きがないスタートにもかかわらず、ピリピリした緊張感が伝わる好レースだった。

ガールズGPも同じような神経戦になるだろう。どの選手も自力を持っているが、このクラスで先行勝負するのは児玉、梅川だろう。石井寛はこの両者をにらむ形で間に入りたいはずだ。1度前に出て中団を取りたい。その位置から先行する選手にスイッチするセンスはピカイチだ。

彼女は以前、中村浩士から「自転車の乗り方次第で年齢に関係なく強くなれる」とアドバイスをもらってから、アスリートとしての年齢を気にしなくなったという。前回の平塚ガールズGPの経験は、ここでも生きるはずだ。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)

◆ヤマコウの予想印  ◎石井寛子 ○児玉碧衣 ▲高木真備 ☆梅川風子 △石井貴子