初日特選はまくりを決めた松浦悠士が快勝した。シリーズ2日目は準決進出が懸かる2予7個レースがハイライトだ。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)はその中から、11Rの柴崎淳に焦点を当てた。後輩の伊藤裕貴を目標に抜け出すとにらんだ。

ヤマコウは大けがからの復活に懸命な柴崎淳に期待した
ヤマコウは大けがからの復活に懸命な柴崎淳に期待した

金子すまん。そう思いながら1予11Rを見た。拳矢は金子の気持ちも背負って、残り3日を走ってほしい。

2日目は2予11Rの柴崎淳を取り上げる。1予7Rの淳は中団から動いて鐘前先行2着。前検日から「不安しかない」と弱気なコメントを出していたが、力強いレース内容で勝ち上がった。「(林大悟を)打鐘過ぎに出させたら巻き返せないと思って腹をくくった」と言うように、そこに迷いは感じなかった。

昨年9月、伊東のG2共同通信社杯で落車し、第一腰椎を骨折。2カ月動けなかった。今は体重が9キロ増えて、おなか周りはふっくらしている。私も頸椎(けいつい)を骨折したことがあるが、熱いこん棒で焼かれるような痛みだった。

「お医者さんには、第一腰椎は一番やっかいな骨折で、次転んだら自転車に乗れなくなる」と言われたが、それでも淳は無理に復帰した。走らないでそのまま埋もれていくことが怖かったという。1予のレース内容が良かったのでいつもの明るい淳に戻っていたが、あの笑顔の裏には、私が思う以上の葛藤があったことだろう。

2予は伊藤裕貴を目標にレースを進める。裕貴も同じけがをして18年2月から3カ月欠場し、やっと本来の動きが戻ってきた。小原佑太や河端朋之も、押さえ先行よりもカマシで持ち味が出るタイプなので、裕貴が前を取れば巻き返すチャンスはある。地元のエース金子貴志がいない分も、豊橋G3を盛り上げてほしい。(日刊スポーツ評論家)