特選の松浦悠士は、小松島G3の不安を払拭(ふっしょく)する1着だった。

前を回った清水裕友が積極的に攻めた結果ではあるが、今の松浦には1着が何よりの良薬だろう。バックで郡司浩平と古性優作が絡んだのを見て、清水はとっさに内に入った。それを見て、松浦は外を仕掛けて1着。レース後は「余裕があった」と満足そうだった。

松浦悠士は出来のいい太田竜馬(左)に全権をゆだねた
松浦悠士は出来のいい太田竜馬(左)に全権をゆだねた

前検日のインタビューで「これまでは雑な組み立て(前受けから引いてカマシ、まくり)が多かったので、少し展開を考えて挑みたい」と語っていた。「ダービー王として受けて立つレースを心掛けているが、これからは持ち味の好位を取ってまくるよ」というメッセージだろう。自分の状態がしっかり見えている。

準決8Rは太田竜馬の番手に決めた。「高松宮記念杯の負け戦や小松島記念を見ると、自分の方が(追走に)心配だ」と冗談めかしていたが、それほど今の太田は強い。相手は、平原康多が番手に付くので鼻息を荒くする黒沢征治に、位置取り確かな古性がいる。ただ、初日の太田を見ると脚力は一枚上だろう。

松浦のハンドルさばきは雑ではなく、理にかなった確かなものだ。先行する太田を決勝に乗せることができれば、松浦の優勝はさらに近づく。(日刊スポーツ評論家)

準決8Rヤマコウ印
準決8Rヤマコウ印