準決11R後、場内が大歓声に包まれた。2予に続き山口拳矢と浅井康太がワンツーを決めたからだ。犬伏湧也-松浦悠士のS班コンビがおり、位置取りが強引な森田優弥もいて、中部勢は厳しい展開になると思っていた。だが、フタを開ければ森田と犬伏が踏み合う絶好の流れ。2角から拳矢が11秒2で混戦をまくった。これまで呼吸が合わずギクシャクしていた両者の連係だったが、この一戦で「ゴールデンコンビ」に昇格した印象だ。ゴール後、浅井が拳矢のお尻をポンポンとたたいたのは、プレッシャーから解放された気持ちと、再びワンツーを決めた高揚感の表れだろう。

ヤマコウは浅井康太の地元Vに期待する
ヤマコウは浅井康太の地元Vに期待する

これまでの中部は、個々で光る選手はいても、ライン全体で存在感を示せるレースは少なかった。しかし、このシリーズは少し違う。浅井にとっても、他地区の自力型の番手で決勝に乗るのと、同地区の仲間と連係して勝ち上がるのとでは意味が違う。背負う重圧が分散され、信頼を軸に走れる安心感がある。深谷知広が南関に移籍して以降、これまでの中部地区は、拳矢がダービーを制しても「個の輝き」で終わることが多かった。

だが、今回は違う。連続でワンツーを決めた意義は大きい。これをきっかけに補完し合って、地元地区のファンを再び熱くさせてほしい。(日刊スポーツ評論家)