ランク1位の鈴木圭一郎(23=浜松)が、圧勝で連覇を達成した。SGは6回目の優勝。昨年の大みそかSS王座決定戦で3着に敗れた悔しさを、わずか10日後に晴らした。

 一瞬で勝負を決めた。光のごとく飛び出した鈴木が、先頭を奪う。スタート巧者の青山周平、荒尾聡が抵抗すらできない急速発進だ。「スタートは自信を持って、青山さんより切ろうと思った」。雪がまじる湿走路で、後続との差を1周ごとに広げていく。2着を守る荒尾聡のエンジン音が、聞こえなくなった。

 「後ろの音が聞こえないので、ぶっちぎりと感じた」。1着でゴールした時、2着の荒尾は4コーナーを回ったばかり。80メートルもの差をつけての独走Vだ。「スムーズに走れたし、乗りやすかった。インコースを走ったのは予定通り」。何度もガッツポーズをして、喜びを爆発させた。

 ぶち走路のSS王座決定戦で優勝できず、「雨はやや苦手」との声も出た。同期の雨巧者、吉原恭佑の乗り方を徹底的に研究。前加重でバランスを取った。「プレミアムCを勝った吉原君を思い出して乗った」とすぐさま克服してきた。

 湿走路でのSG制覇は初めて。「雨でも晴れでも圭一郎、と呼ばれる選手になりたい」。選手紹介でファンに誓った言葉を、裏切らなかった。【天野保彦】