日刊スポーツ新聞社制定「第37回ボートレース年間三賞」の受賞者が決まった。MVP殊勲賞は、馬場貴也(38=滋賀)がSGダービーなど年間7度優勝を飾り初受賞した。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。(データは、日本モーターボート競走会提供)

    ◇    ◇    ◇

馬場貴也が初の殊勲賞を獲得した。22年は輝きを放ち続けた。正月の地元戦で優勝すると快進撃が始まる。3月下関周年、4月戸田周年とG1優勝した。その後は10月常滑SGダービーを制するなど、賞金トップで年末のSGグランプリを迎えた。精神面での安定が好成績を支えたという。

「21年のグランプリは1stで敗退した。意識や考え方を変えないといけないと思い、22年はグランプリを目標にした。自分は短気な方だが、年齢を重ねて感情を抑えることができるようになっている」と冷静に自分を見つめ直して、結果を出し続けた。

昨年末の大村SGグランプリ、トライアル2nd初戦は1枠だったが、逃げ切りに失敗した。その後は反撃態勢を整えて、6枠で優出を果たした。優勝戦では大外から2着に食い込み、底力を見せつけた。

「グランプリのトライアル2nd(1走目)は感じたことのない重圧で、舟券に絡めなかった。申し訳なかった。優勝戦では進入で動くことも考えたが、自分の足りないところ、自分らしさを受け入れ、6コースから勝負した」と振り返った。23年の目標がもちろん、SGグランプリ制覇。あと1歩で逃した栄冠を目標に、馬場は目の前のレースでファンの期待に応える。

◆馬場貴也(ばば・よしや)1984年(昭59)3月26日、京都府生まれ。03年11月に三国でデビュー。04年3月のびわこで初勝利。初優勝は07年5月のびわこ。G1優勝4度。SG優勝は3度。22年10月常滑SGダービーで優勝。168センチ、54キロ。血液型A。

◆殊勲賞・選考 馬場貴也が常滑ダービーVで山口剛を逆転しトップに立ち、決戦の場となった大村グランプリを迎えた。山口はトライアル2nd1回戦でFに散り脱落。白井英治はトライアル1stからの出場もファイナル1枠をゲット、馬場は6枠で対決した。白井が逃げ切ってVを果たしたが、馬場は好パワーを発揮し2着に。結局、馬場が白井の猛追を振り切る形で殊勲賞に輝いた。

◆選考委員 ▽東京 沢畠功二、中川純、窪寺伸行、木村重成、古村亮、湯田坂賢一、野島成浩 ▽西日本 吉富康雄、町田達彦、草川太郎、鎌田優、津波謙次、井筒靖明、山田敏明、浅田和則、神田成史、川尻将志、奈島宏樹、北條直治、東和弘、中嶋聡史、安井雅彦、栗原ひろ人、土居恒久、工藤浩伸、田中大樹、平田英治、前原一樹、迫信晴、山崎千郷、渕上知、中森亮、中牟田康、馬場勲、浦田由起夫

◆ボートレース三賞とは 日刊スポーツ新聞社が86年に創設した。公営競技の三賞ではもっとも歴史があり、殊勲、敢闘、技能に特別(主に女子から選出)の4部門がある。

殊勲賞 1節で優出した6選手にポイントを与える。17年までSG優出ポイントは8競走すべて同じだったが、18年から王者決定戦であるグランプリ優勝を100に。クラシック、オールスター、メモリアル、ダービーの4大競走Vを70にアップして集計。これらの合計点で決定する。

敢闘賞 年間連対(1、2着)回数を争う。グレード競走、一般戦に関係なく、どのレースの連対も同じ価値とする。連対回数が同じ場合は1着回数の多い選手を優先する。

技能賞 殊勲賞のようなポイント制ではなく、スタート力、ターン技術、ファンへのアピール度など選手の個性に着目する。

特別賞 主に女子選手の優秀者を選出する。