日刊スポーツ新聞社制定「第36回競輪年間三賞」は、殊勲賞を脇本雄太(33=福井)、敢闘賞を新田祐大(37=福島)、技能賞を古性優作(31=大阪)、ガールズ最優秀選手賞を柳原真緒(25=福井)が受賞した。

【ヤマコウの目】

殊勲賞が脇本雄太に決まった。昨年は日本選手権、オールスター、グランプリを優勝。見事3億円を突破し賞金王に輝いた。

昨年の1番車、古性優作が番手を回っても差せないパフォーマンスは誰にもまねできない。しかし、その代償は大きく、直前の奈良G3は2日目以降、腰痛で欠場した。数少ない出走本数で3億円を稼いだ脇本は競輪界の宝だ。出走回数が少なくても、1番車の特権でG1に出走できるシステムを作り、治療に専念できる環境を与えてほしい。

技能賞の古性は、脇本を差して優勝することが最大のテーマとなる。彼はヨコが強いので邪魔する選手が見当たらない。タイトルを量産するチャンスだ。

最後に敢闘賞の新田祐大。彼が走る今年のG3はどれも面白かった。それは受け身ではなく、自ら流れを作るからだ。彼のように勝負する選手が多く現れると、競輪はもっと面白くなる。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)