中本匠栄(36=熊本)が熊本市施行の“地元開催”でG3初優勝を飾った。

前を取った熊本カルテットが新山響平を出させず、赤板過ぎから先陣役の松岡辰泰がペースアップ。最終2角から嘉永泰斗が番手まくりに出ると、続いた中本がゴール前で嘉永を差し切った。

「今年はふがいないレースばかりで苦しかった。でも、そこで得たものをこの大会で出せた」。レース後の涙から一転、共同会見場には笑顔で姿を現した。

熊本ライン4車の3番手からつかんだVは、4人の結束力そのものでもあった。「最後は無我夢中で覚えていない」と言いながらも、中本は郡司浩平の追い込みをけん制しながら嘉永とワンツーを決めた。

来年6月をめどに熊本競輪本場開催の再開が発表された。「すごくうれしい。これから少しでも再開に向けて頑張っていきたい」。この優勝を復活の起爆剤にしていく。