日刊スポーツ新聞社制定「第38回ボートレース年間三賞」の各賞受賞者が決まった。殊勲賞は、グランプリV石野貴之(41=大阪)は、8年ぶり2度目の技能賞受賞。式典は2月2日に東京・品川プリンスホテルで行われる。

石野貴之は昨年、芦屋オールスターを制覇。グランプリは4年ぶり2度目の優勝でSG年間2冠。通算では11度目のSG優勝で、山崎智也(引退)、瓜生正義らに並ぶ歴代3位タイに浮上。ファンの支持に応え続けた走りが評価され、2度目の技能賞受賞となった。

「去年は最後(グランプリ)も取れたし、いい1年でした。満足できています」と振り返った

賞金ランク4位で臨んだグランプリでは、石野ならではのインパクトを残した。トライアル2ndは3、1、1着。2回戦ではインからコンマ06のトップスタートで圧倒。4枠のTR3回戦は、カドからコンマ03を踏み込み問答無用の一撃。ファイナル1枠を勝ち取った。最後も他を寄せ付けない完勝で戴冠。終始、勝負強さをみせ続けた。

昨年の獲得賞金は2億2000万円を超え、最多賞金獲得選手となった。24年初戦の地元戦は優出5着。松井繁のSG12冠超え、グランプリ連覇を目指し、新しい戦いは始まっている。

「ファンの声援はすごく力になります。これからも応援してほしいし、応えられるよう頑張ります。松井さんの12冠を抜くのが目標です」。昨年のクリスマス、住之江のスタンドからは「石野コール」が起こった。同じ景色を見るために-石野は全力で走り続ける。

◆石野貴之(いしの・たかゆき)1982年(昭57)6月3日、大阪府生まれ。90期生として02年5月、住之江でデビュー。03年10月宮島で初優勝。通算優勝は68度。SG優勝は11度、G1優勝は9度。同期は吉田拡郎、赤坂俊輔、渡辺雄一郎、宇野弥生ら。165センチ、52キロ。血液型O。

◆技能賞 オールスターとグランプリ、2つのSGを制した石野が受賞。特にグランプリではトライアル2nd3回戦で狙いすましたまくり、ファイナルは圧倒的なイン逃げ、その高い技術と集中力で強さを印象づけた。殊勲賞の峰と並び称される活躍だった。