佐々木和紀(27=神奈川)が準決3Rで2着に逃げ残り、決勝進出を決めた。初日特選と同じく成清貴之(50=千葉)が番手に付く競走で、残り1周前からスパート。1番人気の黒瀬浩太郎(24=広島)を後ろに置き、果敢に風を切った。しかし、最終バックで、まくりで追い込んできた黒瀬を成清がブロックし、フェンス近くまで押し上げた。入線順は成清-黒瀬-佐々木だったが、成清が失格と判定され、佐々木が繰り上がり2着で決勝切符をつかんだ。

「成清さんのおかげです」。

レース後、佐々木は言葉を絞りだした。勢いよくまくる別線を封じ、1着で入線も失格。番手が成清でなければ、佐々木は決勝進出すら危うかったかもしれない。

だが、それだけではない。前日の特選レース終了後、2人は長時間話し合った。5着とふるわなかった佐々木にとって、それは「身に染みるアドバイスでした」と振り返る。その答えが、3車の先頭で、残り1周から駆ける、だったのだろう。一瞬、成清が離れるほどの猛ダッシュで、無我夢中で駆け抜けた。

失格判定こそあったが、佐々木にとっては500バンクで大きなレースになったことは事実。現状から1歩前に進む、きっかけとなったに違いない。