得点王を輩出したクラブがJ2に降格するわけにはいかない。名古屋グランパスFWジョーは、22ゴールで得点ランク首位に立っている。最終節を残して2位のサンフレッチェ広島FWパトリック(20得点)と2ゴール差。名古屋では11年のFWケネディ以来となる、7年ぶり3人目(4度目)のJ1得点王が濃厚だ。

ただ、チームはJ1参入プレーオフに進む16位に低迷。J2降格の可能性が残る。得点王を擁したクラブが最終節まで来季のJ1残留を決めていなかった例は過去にない。最低でも01年の北海道コンサドーレ札幌FWウィルと09、10年のジュビロ磐田FW前田の11位だ。

チームがJ2降格危機にありながら得点王を独走する状況が、元ブラジル代表FWの個の力を際立たせる。その決定力はJ1で群を抜く。12月1日の最終節は同じくJ1残留を争う14位湘南ベルマーレとの直接対決。得点王を確実にするとともに、勝ってJ1残留を決めることができるか。【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)