開幕から6試合で1得点と決定力不足に苦しむガンバ大阪だが、「シーズン開幕から連続時間カードなし」という珍しいJ1記録を残した。

今季の名古屋が達成した連続時間無失点のようにはクローズアップされることのないデータだが、18日の清水戦の後半21分にMF倉田秋が警告処分を受けるまで515分間無警告を続け、20年の大分がマークした496分を更新した。

宮本恒靖監督就任後のG大阪はフェアプレーが徹底されており、同監督のJ1初采配となった18年7月28日の鹿島戦(1-1)からはリーグ戦通算91試合で1人も退場者を出していない。年間のイエローカード数も18年から41→38→27と減少し、警告と退場がなかった試合も10→11→17と年々良化。肝心のリーグ順位も9→7→2位と上昇している。

カードを受けなければ累積警告もなく、当然ながら出場停止にもならない。けが人を除けば、その時々のベストメンバーで臨むことができる。今季は開幕6試合で1勝とスタートダッシュに失敗しているが、全試合フル出場中のGK東口順昭、DF昌子源、DF三浦弦太と3人の日本代表経験者を中心に守備は安定。開幕からクリーンファイトで1、0、0、1、0、0と複数失点は1度もなく、クリーンシート(無失点)は6試合中4試合を数える。

18日の清水戦では無得点での引き分けに終わったものの、前半にFW宇佐美貴史とMF井手口陽介のシュートがクロスバーとポストに当たるなど惜しいシーンはあった。指揮官も「得点のにおいが全くなかったわけではない」と話していた。

次戦は中3日で鉄壁の守備を誇る名古屋とアウェーで対戦予定(22日午後7時30分開始)。宮本監督の下、フェアプレーが光る昨季2位のG大阪は、イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督が構築した「カテナチオ」をこじ開け、浮上のきっかけをつかむことができるか。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


○…J1の連続試合警告・退場処分なしの記録は浦和が18年の第5~11節にマークした7試合連続。一方の連続試合警告・退場処分は01~03年に神戸が記録した71試合連続がワースト。