オーストラリアか韓国か。どちらが同組になっても厳しい戦いが待ち受ける。

22年ワールドカップ(W杯)カタール大会のアジア最終予選の組み合わせ抽選は7月1日に行われる。FIFAランキングでアジア1位の日本は同2位のイランとともに第1ポットに入り、第2ポットはオーストラリアと韓国。日本はイランと同組にならず、オーストラリアか韓国のいずれかと同組になる。

日本と対戦する可能性のある第2ポットの2カ国は、ともに2次予選で2メートル近い長身選手の活躍が目立った。オーストラリアは198センチのDFハリー・サウター(22=ストーク)、韓国は196センチのFW金信旭(33=上海申花)がそれぞれチームトップの6ゴール。日本が苦手とする空中戦で、両国とも高さという強みがあった。


<オーストラリア=DFハリー・サウター 198センチ>

東京オリンピック(五輪)に出場する22歳DFサウターは、A代表の2次予選でDFながらチームトップの6ゴールを決めた。198センチの高さを武器にセットプレーからゴールを量産。6月15日のヨルダン戦(1-0)では0-0の後半30分に左CKから高い打点のヘッドで決勝点を挙げるなど、6得点全てヘディングでマークした。

オーストラリア連盟のデータによると、浮いたボールに競り合った「デュエル」(空中戦)で2次予選通算34勝2敗。その勝率は94・4%に達した。自陣、敵陣問わず、ペナルティーエリア内で頭ひとつ抜けた存在で、屈強な同国の味方選手が小さく見えたほどだ。

スコットランド出身で、イングランドのストークに在籍するセンターバック。オーストラリア人の母を持ち、元J1仙台のグラハム・アーノルド監督のもとで19年10月に代表デビューを果たした。国際Aマッチ通算5試合で、日本との対戦経験はまだない。

オーストラリアはこれまで日本を苦しめてきた「天敵」ケーヒルが現役を引退。今回の最終予選で同国と対戦することになれば、東京五輪代表の「ビッグ・ハリー」にも手を焼くことになりそうだ。


<韓国=FW金信旭 196センチ>

Kリーグ歴代3位となる132得点の実績を誇るベテランFWの高さと決定力は健在だった。金信旭(キム・シンウク)は、2次予選でエースFW孫興民(ソン・フンミン)の3ゴールを上回るチームトップの6得点を挙げた。


金信旭(2017年12月9日撮影)
金信旭(2017年12月9日撮影)

主力には元J1ガンバ大阪のFW黄義助(ファン・ウィジョ)もおり、金信旭の出場時間は197分と限られた中でも6得点。90分換算の得点は2・74点となり、2試合連続ハットトリックを達成した日本代表のFW大迫勇也の2・67点を抑え、同予選最高の得点率をマークした。

17年12月の東アジアE-1選手権、日本戦で2得点。そこから同国史上初めて4試合連続ヘディングゴールの快記録を達成した。19年夏にKリーグの全北から中国の上海申花に移籍。Kリーグ史上最も頭でゴールを決めている「進撃の信旭」は、依然として要注意だ。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)


◆W杯カタール大会アジア最終予選 2次予選を突破した12チームが6チームずつ2組に分かれて争う。各組2位までが本大会出場権を獲得し、各組3位同士によるプレーオフの勝者が大陸間プレーオフに進む。最終予選の抽選会は7月1日。12チームをランク付けし、6つの「ポット」に分ける。日本はイランとともに第1ポット。第2ポットはオーストラリアと韓国。日本はイランと同組にならず、オーストラリアか韓国のいずれかと同組となる。第3がサウジアラビアとUAE、第4がイラクと中国、第5がオマーンとシリア、第6がベトナムとレバノン。