今季のJ2は最終節を残してアルビレックス新潟の優勝と横浜FCの2位でのJ1自動昇格が決定。3~6位によるJ1参入プレーオフはファジアーノ岡山、ロアッソ熊本、大分トリニータの進出が決まり、残る1枠を6位徳島ヴォルティス(勝ち点62、得失点差16)7位ベガルタ仙台(同62、同8)8位モンテディオ山形(同61、同19)の3チームが争う。23日の最終節で山形-徳島(NDスタ)の直接対決があり、仙台はアウェーで秋田と対戦。得失点差で仙台を大きくリードする徳島は、最終節で勝てばプレーオフ進出がほぼ決まる状況となっている。

今季の徳島はとにかく負けない。13勝23分け5敗。J2の年間最多引き分け記録を更新するなど勝ちきれない試合も多かったが、今季の5敗は優勝した新潟の8敗より少なく、失点32も新潟の34失点を抑えてリーグ最少。6月の第23節からはJ2歴代3位タイの19戦負けなしと勢いに乗り、J1参入プレーオフ進出に王手をかけた。

今季はMF岩尾憲(J1浦和)ら多くの主力が抜けたこともあって、戦いが安定せず、シーズン中盤戦までは勝ち点3を逃す試合が多かった。だが、スペイン人のダニエル・ポヤトス監督の下、ボールを大事にするスタイルをブレずに継続。シーズン終盤になって、それがようやく形になってきた印象だ。

課題だった決定力不足も改善の兆しを見せ、U-21日本代表FW藤尾翔太は最近2戦3発でシーズン2桁得点に到達。7月にJ1福岡から4年ぶりに復帰したMF杉本太郎は攻撃にアクセントを加え、先発11試合で6勝5分け0敗とチームを上昇気流に乗せた。4月に加入したJ1経験豊富なDFエウシーニョは右サイドで攻守に奮闘。10月以降は3試合連続の複数得点勝利となり、6位で最終節を迎えることになった。

このまま6位でJ1参入プレーオフ出場となれば、1回戦で3位岡山と敵地で対戦。引き分けに終わった場合は年間順位の優位性を確保するため、上位の岡山が2回戦に進み、徳島はその時点で敗退となる。自力でJ1昇格を決めるにはリーグ最終戦からJ1年間16位チームとの決勝までアウェー4連勝が必要になるが、そこまでこの勢いを継続できるか注目だ。【石川秀和】


<3チームのJ1参入プレーオフ出場確定条件>

・徳島

(1)徳島○、仙台△●(仙台○の場合は得失点差次第)

(2)徳島△、仙台△●

・仙台

(1)仙台○、徳島△●(徳島○の場合は得失点差次第)

・山形

(1)山形○、仙台△●


<J2連続試合無敗記録>

24 甲府 12年(16勝8分け)優勝

21 湘南 14年(13勝8分け)優勝

19 柏  10年(13勝6分け)優勝

19 磐田 21年(12勝7分け)優勝

19 徳島 22年(9勝10分け)6位

※今季徳島は第41節終了時


<J2が42試合制となった12年以降の年間5敗以下>

3 湘南 14年(31勝8分け)優勝

4 甲府 12年(24勝14分け)優勝

5 G大阪 13年(25勝12分け)優勝

5 磐田 21年(27勝10分け)優勝

5 徳島 22年(13勝23分け)6位

※今季徳島は第41節終了時