日本代表はFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会後初となる国際親善試合で、24日にウルグアイ(国立)、28日にコロンビア(ヨドコウ)と対戦する。新生森保ジャパンのメンバー26人は国内組が7人で、欧州組が19人を占める。欧州5大リーグでプレーする選手の優先順位は高く、けがで不参加になったイングランド・プレミアリーグで首位を快走するアーセナルのDF冨安健洋を除き、9人が選出された。
森保監督が日本代表監督に就任した18年、初めてベストと言えるメンバーを招集できた10月の国際親善試合での欧州5大リーグ所属は最終的に23人中5人だった。日本代表がプレーする「リーグのレベル」は総じて上がり、その比率は18年の22%から今回は35%にアップした。
スコットランド1部セルティックで今季リーグ最多20得点を挙げているFW古橋亨梧らは招集されず、森保監督は「リーグのレベル、置かれている状況もそれぞれ各国で違う。いろんなことを考えての招集」と話していた。
「リーグのレベル」は欧州サッカー連盟(UEFA)が発表している国別クラブ係数ランキングが参考になる。1位イングランド、2位スペイン、3位ドイツ、4位イタリア、5位フランスと、欧州5大リーグが上位を占める。ベルギーが8位、スコットランドは9位となっている。
最上位のイングランド・プレミアリーグでは、ブライトンのMF三笘薫が今季公式戦9得点。リーグ戦では6得点3アシストで、チームも7位に位置する。スペイン1部でプレーする唯一の日本選手、MF久保建英はリーグ4位のレアル・ソシエダードで自己最多5得点。来季の欧州チャンピオンズリーグ(CL)の出場権を争っている。
ドイツ1部は計10人の日本選手が所属し、今回の代表メンバーにも6人が選ばれた。MF堂安律が所属するフライブルクがCL出場圏内の4位。MF鎌田大地のアイントラハト・フランクフルトが6位と、さらなる上位進出を狙い、DF板倉滉のボルシアMGが10位。一方、FW浅野拓磨のボーフムと、MF遠藤航、DF伊藤洋輝のシュツットガルトは残留争いに巻き込まれている。
計5人の日本選手がプレーするフランス1部からは、4位のモナコで先発機会を失っているMF南野拓実が選外。9位のスタッド・ランスでリーグ戦5得点5アシストを記録しているMF伊東純也が順当にメンバー入りした。
欧州5大リーグ以外ではランキング8位のベルギーで、セルクル・ブリュージュのFW上田綺世が移籍1季目でリーグ4位の14得点。チームは9位だが、総得点41点のうち上田のゴールが34%を占める(古橋は22%)。得点ランクトップ3のチーム順位やチーム内得点比率を見ると、上田の孤軍奮闘ぶりが際立つ。日本代表では12試合無得点。ベルギーリーグでの勢いそのままに、国際Aマッチ初ゴールが期待される。
<UEFA国別クラブ係数ランキング上位と日本代表の所属人数> カッコ内は同リーグでプレーする日本選手の人数
1位イングランド 2(2)
2位スペイン 1(1)
3位ドイツ 6(10)
4位イタリア 0(0)
5位フランス 1(5)
6位オランダ 1(4)
7位ポルトガル 1(9)
8位ベルギー 4(13)
9位スコットランド 1(7)
10位オーストリア 1(1)
11位セルビア 0(1)
12位トルコ 0(1)
13位スイス 1(3)
※1部リーグのみで、ドイツは2部のMF田中を除く。イングランドはけがで不参加となった冨安、ベルギーは追加招集のDF町田を含む。
<日本代表の所属チームの今季リーグ順位(19日現在)>
▼イングランド・プレミアリーグ
1位アーセナル(冨安健洋)※不参加
7位ブライトン(三笘薫)
▼スペイン1部リーグ
4位 Rソシエダード(久保建英)
▼ドイツ・ブンデスリーガ
4位フライブルク(堂安律)
6位Eフランクフルト(鎌田大地)
10位ボルシアMG(板倉滉)
14位ボーフム(浅野拓磨)
18位シュツットガルト(遠藤航、伊藤洋輝)
▼フランス1部リーグ
9位Sランス(伊東純也)
▼オランダ1部リーグ
4位AZアルクマール(菅原由勢)
▼ポルトガル1部リーグ
4位スポルティング(守田英正)
▼ベルギー1部リーグ
2位サンジロワーズ(町田浩樹)
9位セルクル・ブリュージュ(上田綺世)
12位シントトロイデン(シュミット・ダニエル、橋岡大樹)
▼スコットランド1部リーグ
1位セルティック(前田大然)
▼オーストリア1部リーグ
3位LASK(中村敬斗)
▼スイス1部リーグ
7位グラスホッパー(瀬古歩夢)
▼ドイツ2部リーグ
4位デュッセルドルフ(田中碧)