相手は序盤から「ファウルゲーム」を挑んできたかのようだった。だがアルビレックス新潟はリズムを崩すことなく、今季初先発となったMF福田を中心にパススピードを速めて、栃木SCの激しいプレスをいなした。要所要所では球際の強さを発揮し、3-0で快勝した。

11日のホームでの栃木戦。前半の反則数は新潟の6回に対して、栃木は倍の12回を数えた。だが、反則数がリーグで2番目に多く、堅守速攻を武器とする相手の土俵に引き込まれることはなかった。しっかりとパスをつないでMF高木が前半に2得点。1点目は右サイドからMFロメロ・フランクが相手に当たられながらも振り切り、2点目は福田が踏ん張って左サイドから崩しきった。

今季新潟の前半2点リードの試合
今季新潟の前半2点リードの試合

前半を2点リードで折り返したのは、最終的に7-0で圧勝した3月27日の東京V戦以来、17試合ぶり今季4度目。過去の3度はいずれも開幕当初の3月に記録したものだった。ここ最近はパス回しが停滞気味で早い時間帯にリードを広げることができなかったが、今回の後半戦初戦ではシュートへの意識が高まり、理想とする試合展開に持ち込むことができた。

前半12分に先制シュートを放つ高木
前半12分に先制シュートを放つ高木

左膝の大けがから復帰し、8カ月ぶりにフル出場を果たした福田は「栃木はプレッシャーがJ2の中でも強いチーム。逃げてしまったら僕らのサッカーが台無しになる。そこは貫いてやろうと決めていた」。攻守両面で存在感を示すボランチの復帰は大きく、17位栃木に地力の違いを見せつけた。【石川秀和】