日本が予選5連勝で2位を堅守。これまで無傷だったサウジアラビアに初めて黒星をつけ、2試合を残して6勝2敗の勝ち点18とした。元日本代表FWで日刊スポーツ評論家の永島昭浩氏(57)は、伊東純也(28=ゲンク)の能力の高さを評価しつつ、日本の攻撃に物足りなさを感じたと指摘した。

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4試合連続ゴールを含めて全2得点に絡んだ伊東の最大の魅力は、判断力の速さになる。前半32分の南野の先制点を演出した場面。自陣の深い位置で伊東が酒井にパスを出し、その瞬間に伊東は右サイドを突っ走っていた。

次の場面を読み、想定し、動く。相手より1歩速いというよりは、1つ先の場面を想定しているから、酒井から縦パスが出ると予想していた。だから決定的な場面をつくれる。それでいて足が速い。相手は競り勝てるわけがない。

ただ、日本の攻撃全体を見れば、伊東に頼っている印象が強かった。組織的にビルドアップし、つなぎ、仕掛けて崩せたのは、相手が体力を消耗した後半が中心だった。日本の力があれば、もっと前半からできるのではないかと思う。

守備は吉田、冨安が不在の中、特に中盤の遠藤、守田の守備が光った。彼らのプレスやボール奪取力が発揮されれば、最終ラインの谷口と板倉の負担は軽減されていた。これでW杯出場が見えてきたが、残り2試合は特に相手を完全に崩した攻撃を追求してほしい。(日刊スポーツ評論家)

日本対サウジアラビア 前半、ドリブルする伊東(撮影・横山健太)
日本対サウジアラビア 前半、ドリブルする伊東(撮影・横山健太)