来月で40歳を迎える鉄人、長友佑都が現役を続行する。このニュースを誰よりも喜んでいるのは、東京ヴェルディの城福浩監督(65)ではなかろうか。
長友が明大からFC東京に入団した時の監督であり、イタリアへ送り出した後も、そのキャリアを見守り続けてきた。いわゆる師弟関係だ。そのギラギラと燃え盛る情熱で今も通じ合う者同士。その姿は“父子”のようにさえ映る。
5月15日、ワールドカップ(W杯)北中米大会の日本代表に長友がメンバー入りした。前人未到の5度目の選出。クラブハウスで城福監督に話を聞いた。
高校(東福岡高)、大学(明大)と決して順風満帆ではなかった中、努力で道を切り開いてきたことに始まり、イタリアの名門インテル・ミラノでのキャリアについて、こう触れた。
「それはパスは来ない、(負ければ)戦犯になる。ACミランとのダービーとか含めて僕らが経験していないことをしているわけで、しかも最初から何かが約束されたわけではない中でつかんできた。苦しい中でどうやって自分がここで生きていけるかっていうのを実際に示してきた選手なので、彼の言動には重みがあって当然だと思います。今、ヨーロッパでやっている選手たちが、ただ単に年齢的なものだけでリスペクトしているのではなく、どんな状況も打破してきた。それがチームにとって助けになる」
城福監督が見る長友とは「クレバー」な選手なのだという。
今、何をしなければいけないのか?
どう食らい付いていけば認められるのか?
自分が高みに行くにはどうすればいいのか?
その状況に応じて、時には謙虚に、時には自信満々に振る舞うのだという。
「彼が人知れず悩んでいたこともFC(東京)の時から感じていました。僕には見えていたけど、彼は見せないようにしていたし、僕らにも言わなかった。どのくらい苦労して彼の経歴が勝ち取ってきたものなのかというのは、そこは情熱だけじゃない。いろんなものが見えた中で、ちゃんと決断してアクションが起こせるのが素晴らしい」
そして、代表入りした長友から連絡を受けた際には「日本を頼む」とメッセージを託した。
その長友はW杯に全力を注いだあまり、大会終了後は抜け殻状態となった。だが熟考の末、気持ちを固めた。
「末広がり」の8月8日の会見で、こう口にした。
「年齢はまったく意識していない。誰よりもギラギラしていると思っている。40代になってもプレースタイルを変えず、ピッチで誰よりも走って戦い、激しいプレーでみなさんを喜ばせたい」
このフレーズは、どこかの誰かの言葉とすぐに重なった。城福監督だった。
今もギラギラした65歳。今季は自身の思いを「メラメラ」と表現し、東京Vでクラブ史上最長の5年目となるシーズンに入った。FC東京、東京Vという同じ「味スタ」をホームにする。ライバルというよりどこか“敵対関係”に近い、正真正銘のダービーがここにはある。
それはかつて長友が経験した「サンシーロ」を舞台とするインテル・ミラノとACミランのミラノ・ダービーともどこか重なる。
両クラブの歴史を熟知する城福監督は常々こう言う。
「東京ダービーは、Jリーグを代表するコンテンツになる」
シーズン移行という新時代を迎えた日本サッカーを、燃え盛る男たちが熱くしてくれそうだ。【佐藤隆志】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サカバカ日誌」)







