第91回全国高校サッカー選手権大会準決勝(東京・国立競技場)は、明日12日に鵬翔(宮崎)-星稜(石川)、京都橘-桐光学園(神奈川)で行われる。本命なき戦国大会にあって、得点王争いにも注目が集まる。京都橘FW小屋松知哉(2年)はスピードを武器に4得点でトップタイ。対する桐光学園は、2得点ながらFW市森康平(3年)が持ち前の勝負強さで“爆発”を予感させる。

 京都橘には「ワンダーボーイ」がいる。小屋松の武器は一瞬でDFを置き去りにするスピードだ。身長171センチと小柄だが、裏に抜け出す姿は元イングランド代表FWオーウェンをほうふつさせる。ここまで4得点を挙げ得点王争いトップタイに、小屋松は「大会前から得点王は目標にしてきた。準決勝はこれまで以上に苦しい試合になると思う。だからこそ、自分が点に絡んでチームを助けたい」と目を輝かせた。得点だけに固執しない一方、自分の得点がチームの結果に直結することも知っている。

 50メートル走5秒8。100メートル走は11秒3。小屋松は理想の選手を「イニエスタ。パス、シュート、どれを取ってもうまい」と意外にもMFの選手を挙げた。速力だけでなく技術面でまねできることは全て参考にする。

 準々決勝では左ふくらはぎと右膝を痛めた。埼玉県内で行われた10日の練習では、完全別メニューで故障の回復に努めた。「無理してでも出る」と意志は固い。桐光の守備陣を前に「自分のスピードがどれだけ通用するのか、実力を試したい」と言う。得点王、そして頂点へ自慢のスピードは鈍らない。【高橋悟史】

 ◆小屋松知哉(こやまつ・ともや)1995年(平7)4月24日生まれ。京都府久御山町出身。小2から久御山バイソンズFCでサッカーを始め、中学時代は宇治FC。171センチ、68キロ。A型。